皆さまは花札(はなふだ)をご存じでしょうか。
花札(はなふだ)は日本のかるたの一種で、安土桃山時代にポルトガルから持ち込まれ江戸時代に現在の形に発展したものです。
日本の花札は各地でそれぞれの図柄や呼び名がありそれぞれに特徴がありますが、一般に花札といえば八々花(はちはちはな)のことを指し、一組48枚に12ヶ月折々の花や草木が4枚ずつ描かれ、優美な花鳥風月の詩趣が表現されています。
武蔵野、越後花、越後小花(初期)、山形花、花巻花の一部の素札には古歌が記されています。
花札ごよみでは、花札の各月の花や草木、古歌をご紹介するとともに、その植物などを通して季節の移り変わりを感じていただければと思っています。
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10月:楓(かえで)に鹿(しか)

楓に鹿は秋の美しい景色を象徴する表現です。
また、取り合わせの良い間柄とされています。

『古今和歌集・詠み人しらず』 奥山にもみぢ踏み分け鳴く鹿の声聞く時ぞ秋は悲しき
現代訳:人里離れた奥深い山で紅葉を踏み分けて鳴いている鹿の声を聞くときこそ、秋は悲しいと感じられる
こちらの歌が題材となり、楓に鹿のモチーフとなっています。
鹿の鳴き声は恋愛を連想させ、秋の深まりと相まって一層もの寂しさを感じさせます。
紅葉したもみじと鹿の組合せは、秋の深まり、もの寂しさなどが感じられ、秋を象徴する組合せです。

花札の10月の鹿の図柄から「シカトする」という言葉が出来たそうで、鹿がそっぽを向いている=無視している十月の鹿→鹿十(しかと)=シカトする となったそうです。
その他、鹿肉を『もみじ』と言います。
これは鹿といえば‘’もみじ”が連想されたため付けられた名前です。

ちょっと寄り道・・・・
ここ数年、多くの地域で鹿問題が話題になっています。
アジサイで有名なお寺では、手塩にかけて育てた全てのアジサイが食べつくされてしまったり、 山の斜面の雑木や草花が食べつくされて土砂崩れが起こったりと、鹿の食害による色々な問題が後を絶ちません。
他にも鹿の食害で困っておられる方々は多く、問題の解決策はあるのか懸念される状況が続いています。

テレビのニュースで、大阪市内で鹿が目撃されたことが話題になっていました。
鹿は生駒山を越して奈良公園から来た可能性が高いと見られており、奈良公園の鹿は天然記念物で保護されているため、簡単には処分などできません。
大阪府は奈良県に捕獲された鹿を引き取ってもらえるように依頼しましたが、奈良県側は「奈良公園から出た鹿は天然記念物ではない」との見解で、引き取りを拒否。
奈良公園の鹿だと証明するすべもなく、世間では奈良公園の鹿でなければ害獣扱いになるので、処分されてしまうのでは?と心配の声が上がっていたようです。
引き取り手がなくなった鹿ですが、ニュースを知った複数の方から受け入れの声があり、大阪のキャンプ場へお引っ越しとなったそうです。
しかし、指定区域内から出た鹿は天然記念物ではなくなるとは・・・驚きでした。
増えすぎた鹿の影響で色々な問題が発生していますが、鹿も生き物なのでこういった話を聞くと少しほっこりしますね。
今の鹿問題に良い解決策が見いだせることを願っています。
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9月:菊に盃(さかずき)

五節句の一つ旧暦9月9日の『重陽の節句』は別名『菊の節句』と言われています。
重陽は、奇数を縁起が良い陽の数と考え、最大の奇数である9が重なる9月9日は縁起のよい日とされました。
菊を飾ったり、菊にちなむ酒を口にしたりして、無病息災や長寿を願う行事が行われました。
菊は皇室の紋章に用いられており、特別な存在で、品位・品格の象徴です。
菊は不老長寿の薬効がある花として、奈良時代末頃に中国から日本に伝わりました。
重陽の節句には酒に菊の花びらを浮かべて飲む菊酒の風習があり、 縁起の良い花とされるため、お祝いの盃と組合せで表されています。

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