
皆さまは花札(はなふだ)をご存じでしょうか。花札(はなふだ)は日本のかるたの一種で、安土桃山時代にポルトガルから持ち込まれ江戸時代に現在の形に発展したものです。
日本の花札は各地でそれぞれの図柄や呼び名がありそれぞれに特徴がありますが、一般に花札といえば八々花(はちはちはな)のことを指し、一組48枚に12ヶ月折々の花や草木が4枚ずつ描かれ、優美な花鳥風月の詩趣が表現されています。
武蔵野、越後花、越後小花(初期)、山形花、花巻花の一部の素札には古歌が記されています。
花札ごよみでは、花札の各月の花や草木、古歌をご紹介するとともに、その植物などを通して季節の移り変わりを感じていただければと思っています。
2月:梅にうぐいす早春の代表とされる梅の木に別名「春告げ鳥」がとまっている光景は、「取り合わせがよいさま」や「とても相性が良い間柄」を示します。
『続後拾遺和歌集14番・紀貫之』
鶯の 鳴音はしるき 梅の花 いろまがへとや 雪のふるらん
現代語訳:鶯の鳴く音が、白き梅の花の際立たせ、雪が降るかのように見紛うばかり。
梅はバラ科サクラ属の落葉高木です。
開花時期は1月から3月。
梅は、野梅系、緋梅(紅梅)系、豊後系に大きく3系統に分類できます。
全国各地で栽培されており、栽培品種の数は300あまりといわれ、自家結実する品種と自家結実しない品種があります。
果実は食用にされ、梅肉エキス、梅干し、梅酒などに加工されます。
ウメの花の萼(がく)を梅干しの梅肉とともに漬けたものを梅花漬という。
樹木全体と花は鑑賞の対象になり(花梅)、日本には花見や梅まつりが開かれる梅林や梅園が各地にあります。
日本の梅林は下記が有名です。
日本三大梅林「ぐんま三大梅林」「関東三大梅林」「奈良三大梅林」をご紹介。
群馬県には「秋間梅林(あきまばいりん)」「箕郷梅林(みさとばいりん)」「榛名梅林(はるなばいりん)」のぐんま三大梅林があります。
秋間梅林は秋間川上流の丘陵地に広がり、50ヘクタールの広大な敷地の中におよそ3万5,000本の紅梅・白梅が咲き誇ることで有名なスポットです。
箕郷梅林は榛名山の南麗、標高140mから390mの関東平野を一望する丘陵に広がり、約10万本の梅の木が植えられています。
善地広場(展望台)からの眺望は360°の大パノラマ。
榛名梅林は榛名山の南麓に広がる400ヘクタールの広大な土地に、白梅を中心に紅梅、しだれ梅などが約12万本咲き乱れる圧巻の景色です。
関東三大梅林といえば、茨城県水戸市の「水戸偕楽園」、埼玉県越生町の「越生梅林」、神奈川県小田原市の「曽我梅林」が挙げられます。
偕楽園は日本三名園の一つとしても知られ、広大な敷地で約100品種3,000本の梅を楽しめます。
越生梅林は、樹齢約670年を超える古木「魁雪」をはじめ、白加賀・八重寒紅・越生べに梅など約1,000本、35種類の梅の木が植えられています。
越生の梅は、1350年頃九州太宰府から小杉天満宮(現梅園神社)を分祀した際、菅原道真公にちなんで梅を植えたのが起源であると伝えられています。
曽我梅林は、富士山を背景に約35,000本の梅が咲き誇る絶景スポットです。
奈良県の三大梅林とされるのは、「月ヶ瀬梅林」「賀名生梅林」「広橋梅林」です。
月ヶ瀬梅林は渓谷美が美しい五月川の両岸に咲き誇る約1万本の梅が美しい名勝地です。
賀名生(あのう)梅林は、江戸時代から続く歴史深い梅林で、丘陵を麓から中腹まで覆いつくす様に2万本の梅が印象的です。
広橋梅林は、標高の高い場所に位置しており、金剛葛城両山や大和平野を見渡せる絶景が魅力です。
梅は各地に名所がありますので、梅林のみならずお近くの梅の名所にお出かけして早春を楽しんでみてください。
もしかしたら、うぐいすの鳴き声も聞こえてくるかもしれませんね。
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1月:松に鶴
「鶴は百年、亀は万年」と言われるように、鶴は昔から長寿の鳥として、松は1年を通して青く茂る常緑樹から不老長寿を意味します。
縁起のいいものの取り合わせは良い一年の始まりを意味しています。
『古今和歌集巻第1春24番・源宗于』
ときはなる 松もみどりも 春くれば 今一しほの 色まさりけり
現代語訳:常葉の松の緑も、春が来れば、今一段と色彩が増すものだ。
松はマツ科の常緑高木。庭木や盆栽、建材、パルプなどに用いられています。
松は日本で古くから神の宿る神聖な樹とされ、御神木にもなっています。
「長寿・節操・不老不死」の象徴であり、縁起の良いものとされているので「正月の門松」や「松竹梅」として使われています。
新年を迎えるにあたり、門松を飾ったご家庭も多いのではないでしょうか。
日本の海岸には海岸を守るために松の植樹が行われたため、松原が多くあります。
日本の有名な松原をご紹介します。
★三保の松原(静岡県静岡市)
三保半島にあり、海と松原、富士山の光景が美しく沿岸の約5kmにわたり松林が続いています。
松原の中央付近にある「羽衣の松」は天女と地元の漁師の出会いを描いた「羽衣伝説」で知られています。
歌川広重の『冨士三十六景 駿河三保之松原』や『六十余州名所図会 駿河三保のまつ原』など多くの浮世絵にも描かれている風景です。
★虹の松原(佐賀県唐津市)
唐津湾沿いに、虹の弧のように連なる松原。
江戸時代に防風・防潮林として植林したのが始まりで、全長約4.5km、幅約500mにわたって続く松は、約100万本と言われています。
虹の松原には昔から語り継がれた「七不思議」があるそうです。
★気比の松原(福井県敦賀市)
敦賀湾国定公園の一部で白砂青松のコントラストが美しく、昭和9年には国の名勝にも指定されています。
全長約1km、広さ34万?の松林にある松は、アカマツやクロマツなど約1万7,000本。
聖武天皇の時代、この地に異賊が来襲したところ数千の松が一夜にして浜辺に出現し、 無数のシラサギが集まったという一夜の松原の伝説があります。
日本海の荒波と雪景色の松原がつくる絶景が人気です。





