
2023.12.22
二十四節気 冬至 12/22〜1/5頃
冬至(とうじ)とは一年でもっとも昼が短く、夜が長いころ。
日本の慣習では寒さを乗りきるために、栄養価の高いかぼちゃを食べ、柚子湯に浸かり無病息災を願います。
日本各地で「この日に柚子湯に入れば風邪を引かない」という言い伝えが残っており、
柚子の香りとともに熱いお湯に浸かることで、厄を払い、体を清める禊の意味があります。
七十二候 初候 乃東生(なつかれくさしょうず) 12月22日(金)〜12月26日(火)
次候 麋角解(おおしかのつのおつる) 12月27日(水)〜12月31日(日)
末候 雪下出麦(ゆきわたりてむぎのびる) 1月1日(月)〜1月5日(金)
初候 乃東生(なつかれくさしょうず) 12月22日(金)〜12月26日(火)
「乃東」とはウツボグサの古名です。
ウツボグサは冬に芽を出し、5月〜7月頃に紫色の花を咲かせ、
夏至のころに花穂(かすい)が黒ずみまるで枯れたように見えます。
ウツボ草は夏至の頃に枯れ、冬至の頃に芽を出します。

ウツボ草と同じく、冬至に芽を出す植物に菊があります。
この時期に出る芽を「冬至芽」といい、低温と乾燥という厳しい環境を、樹木は冬芽をつくることによってその厳しい環境を凌いでいます。
植物は色々な方法で冬越しされます。
アサガオやヒマワリは冬になるまでに種を作って、自分は冬に枯れてしまいます。
チューリップ、蓮は本体は冬も枯れず、地中の茎や根で冬を越します。
タンポポやナズナは葉を地面に広げ(ロゼット)、冬を越します。
桜や菊は春に出てくる葉や花を守るため冬芽を付けます。
それぞれ暖かくなって適温になると花芽を出します。
冬に強い植物は耐寒性があるので、冬越しが出来ます。
耐寒性のある植物の基本は耐寒温度が0℃かそれ以下です。
パンジー・ビオラ、ガーデンシクラメン、ノースポール、スノードロップ、プリムラ、フクジュソウ、オキザリス、ユリオプスデージー、スイートアリッサム、カレンデュラ、ヒューケラなどは 耐寒性に優れています。
非耐寒性や半耐寒性植物も対策をすれば冬越しが可能なので、お気に入りの植物は早めに対策をし冬越しに備えれば、
翌年もステキな花に出会える事が出来ますよ。
冬越し方法のご紹介
非耐寒性植物の防寒対策
・鉢植えにし室内に取り込む(夜間の気温が耐寒温度を下回らないように注意する)
・水栽培する
耐寒性植物の防寒対策
地植え 鉢植え
・マルチングをする ・日当たりのいい場所に置く
・ビニール袋、クッションシートで覆う ・二重鉢にする
・段ボール箱で覆う ・不織布、クッションシートで覆う
・寒冷紗や不織布で覆う ・軒下に置く
・防寒具を被せる
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2023.12.7
二十四節気 大雪 12/7〜12/21頃
雪が盛んに降りだす頃という意味で、山の峰々は雪をかぶり、平地にも雪が降る時期。
日本ではこの頃から『冬将軍』がやってきます。
日本海側は雪が降り、太平洋側は空っ風(からっかぜ)が吹くようになります。
一年で最も昼の時間が短い「冬至」に向けてどんどん日が短くなります。
七十二候
初候 閉塞成冬(そらさむくふゆとなる) 12月7日(木)〜12月11日(月)
次候 熊蟄穴(くまあなにこもる) 12月12日(火)〜12月16日(土)
末候 鱖魚群(さけのうおむらがる) 12月17日(日)〜12月21日(木)
初候 閉塞成冬(そらさむくふゆとなる) 12月7日(木)〜12月11日(月)
空を塞ぐように雲が広がり本格的な冬になるという意味で、
重たい冬の雲が重く垂れ込めた真冬の空「雪曇(ゆきぐもり)」を表しています。
薄墨色の冬景色は少し寂しい印象も受けますが、心落ち着く優しい色です。
「塞」には砦(とりで)の意味もあり、生き物たちが眠りに入り、
大地に暮らす私たち人間も戸を塞いでしっかりと家に籠もる、守る、という意味合いもあります。
私たちは急な積雪に備えて車のタイヤをスノータイヤに交換したり、雪かき用にスコップや手袋、
長靴を購入したり、積もった雪でガラスが割れないように軒先に衝立をしたり、
早々に準備を整えておられるのではないでしょうか。

冬の風物詩として積雪が多い地方では、樹木の枝や幹などを竹や縄やコモを使ってガードし、
雪や寒さから守る雪囲い・冬囲いをする冬支度があります。
『冬囲い』の目的は、雪対策、風対策、病害虫対策と多くの目的があります。
雪が降る前に、準備対策をする必要がありますが、今年は秋の紅葉を楽しむ前に 急に大雪になる地方もあったりと、
冬支度が大忙しだったのではないでしょうか。
皆さまもニュースなどで見たことがあると思いますが、石川県金沢市の兼六園では、
仕立てた枝に雪が積もって折れないように支柱から縄で吊る『雪吊り』が有名ですね。
植木職人が縄を扱う姿は職人芸で、伝統技術が集結された冬囲いは見ても美しい芸術作品です。
私も何度か兼六園を訪れましたが、季節ごとに風情が違っていつ行ってもステキな場所です。
冬のこの時期は、この時期しか見られない景色が見られるのも魅力です。

寒さに弱い植物を守るための『わらぼっち』も、関東以西で見られる 芸術的・装飾的要素が高い伝統工芸です。
昨今は地球温暖化の影響で、積雪がほとんどなくなって「冬の風物詩」として見られるものも、
今後は見られなくなる恐れもあるかもしれません。
ニュースでは、今年は全国各地でクマの出没が多くみられ、被害にあわれる方も。
昨年が豊作だったため子熊が多く生まれ、凶作の今年ドングリや木の実の食べ物がなく、
人家の柿の実を食べるためやゴミをあさるなど、クマの被害が出ているようです。
そのうえ、鮭が川に戻って来ずその影響も大きいようです。
お腹いっぱい食べられなかったクマは、冬眠が出来ず真冬も出没する可能性が高いようで、
環境の変化で既に冬眠しないクマも出てきているそうです。
地球の温暖化に伴い、人も動植物もかなりの影響があるように思います。
冬支度もこれからは違った形に変化するかもしれません。
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2023.11.22
二十四節気 小雪 11/22〜12/6頃
わずかな雪が降る頃。
山などに雪がみられる時期となりますが、それほど雪は多くないことから小雪(しょうせつ)と呼ばれます。
木の葉が散るのを時雨にたとえた言葉で「木の葉時雨(このはしぐれ)」、
晴れた日に花びらが舞うようにちらつく雪を「風花(かざはな)」といいます。
どちらも冬の訪れを感じさせる言葉ですね。
七十二候
初候 虹蔵不見(にじかくれてみえず) 11月22(水)〜11月26日(日)
次候 朔風払葉(きたかぜこのはをはらう) 11月27日(月)~12月1日(金)
末候 橘始黄(たちばなはじめてきばむ) 12月2日(土)〜12月6日(水)
末候 橘始黄(たちばなはじめてきばむ) 12月2日(土)〜12月6日(水)
師走に入ると気分もさることながら、現実にバタバタと慌ただしくなります。
この頃はたちばなの実が黄色く色づく季節という意味ですが、皆さんは橘という植物をご存知ですか?
日本に古くから自生していた日本固有のカンキツで、本州の和歌山県、三重県、山口県、四国地方、九州地方の海岸に近い山地にまれに自生していて、別名を大和橘(ヤマトタチバナ)といいます。
絶滅危惧種にも指定され、国の天然記念物となっている種もあるようです。
京都御所に橘の木が植えられています。
建物の正面左側には桜があり「左近桜」と呼ばれ、右側には橘があり「右近橘」という名で有名です。
橘とは柚子、レモンなど食用になる柑橘類の総称で古代より馴染み深い植物でした。
冬でも青々とした常緑の葉を繁らせ、黄金に輝く実をつけるところからも、繁栄と長寿の象徴になったようです。


冬に美味しい柑橘類は、ビタミンCが多く、美容や風邪予防に良いと言われていますね。
みかん、柚子、デコポン、いよかん、金柑、だいだい……
柑橘類はそのまま食べるだけでなく、お料理に使ったり、お酒(私は焼酎に入れてます)に入れて香りを楽しんだり、お風呂に入れてリラックスしたり、色々な用途で楽しむことが出来ます。
私は炬燵に入って食べるミカンは『冬』を感じさせる重要アイテムだと思っています。
私のお気に入りミカンは、愛媛の中島温州みかんや甘平、はるみ、せとか、清見、不知火など。
自家栽培の柑橘は酸っぱくて、背筋がゾゾゾ〜っとなってしまいますが、花の咲く頃は甘〜い香りと白く可憐な花が心のビタミンになります。
これからの寒い冬を乗り越えるために、柑橘類を食べて風邪に打ち勝つ身体つくりをしましょう。
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2023.11.7
二十四節気 立冬 11/8〜11/21頃
朝夕がぐっと冷え込み、日中の陽射しも弱まって、冬の始まりを感じさせる頃。
紅葉が見頃を迎え、次第に落ち葉が舞い始める季節。
木枯らしが吹き、初雪の知らせが聞こえてきます。冬の準備を始める「こたつ開き」の時期でもあります。
七十二候 初候 山茶始開(つばきはじめてひらく) 11月8日(水)〜11月12日(日)
次候 地始凍(ちはじめてこおる) 11月13日(月)〜11月17日(金)
末候 金盞香(きんせんかさく) 11月18日(土)〜11月21日(火)

末候 金盞香(きんせんかさく) 11月18日(土)〜11月21日(火)
金盞とは、黄色い冠を持つ水仙の別名です。キク科の金盞花とは違います。
黄色い部分を黄金の杯に、白い花弁を銀の台にたとえて 金盞銀台(きんせんぎんだい)とも呼ばれます。
咲くことを香としているのは、水仙の香りを表しています。
上品で香り高く、人気のある水仙は正月の花としても用いられます。
水仙の花言葉は「うぬぼれ・自己愛」などマイナスのイメージ。
スイセンの学名は、ナルシストの語源である「Narcissus(ナルキッソス)」。
これはギリシャ神話の登場人物の名が由来です。
その神話は、美しい少年ナルキッソスが、女性に対し高慢な態度をとっていたため、 女神に自分自身に恋をしてしまう呪いをかけられ、水面に映った自分に恋をします。
自分自身に恋こがれた結果、水面から離れられなくなり、 彼がいた水辺にはうつむいたような姿のスイセンが咲いたと言われているそうです。

水仙には沢山の種類があります。
ニホンズイセン(日本水仙)、ラッパスイセン(喇叭水仙)、クチベニズイセン(口紅水仙)、 大カップ咲き、小カップ咲き、房咲き、八重咲き、原種系など。
水仙の開花時期は12〜4月頃で、品種によって咲く時期が違うため、沢山の品種を植えると 次々と咲き変わる品種で長く楽しむ事が出来ます。
私の子供の頃、実家には沢山の種類の水仙が植えられていました。
今は手入れが行き届いていないからか、他の花を植える時に掘り起こされてしまうからか、
2〜3種類だけが残っていて、どんどん子孫を増やしています。
我が家の庭にも、いつの間にか母が植えた2種類の水仙が咲いてくれます。
水仙と言えば、ニホンズイセンを思い浮かべる人が多いと思いますが、ニホンズイセンは本州以南の比較的暖かい海岸近くで野生化し、群生が見られます。
福井県越前海岸、千葉県安房郡鋸南町、兵庫県淡路市の群生が有名で、福井県の県花になっています。
兵庫県の淡路島では、ニホンズイセンの群生が有名です。
南あわじ市の『灘黒岩水仙郷』では12月下旬頃から約500万本の野生の水仙が見頃になります。
注)現在灘黒岩水仙郷ではリニューアル工事をしており、令和5年12月よりリニューアルオープン予定。
また、淡路市の『水仙の丘』は個人の方が造られた庭園で、約10万本のラッパ水仙が植えられています。
こちらは3月中旬からが見頃なので、水仙を見に淡路島に何度も訪れたくなりますね。
私は水仙郷にずっと前から行きたいと思っているのですが、まだチャンスがなく見に行ったことがないので、
是非一度見に行きたいです。
淡路島はお花を楽しめる場所が沢山あります。
その他にもオシャレなお店やホテル、レジャースポットが続々と出来ていて注目の観光地です。
皆さまもご興味があれば、是非淡路島に水仙を見にお出掛けしてみてください。
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2023.10.24
二十四節気 霜降 10/24〜11/7頃
この時期になると気温がぐっと下がり、空気中の水分が凍って草木の表面や地 面につくと霜になります。
白く輝く霜が早朝の草木や地面を美しく光らせ、冬の訪れを予感させます。
畑の野菜やお庭の草花も霜が当たると枯れる事があるので、寒さが苦手な植物は寒さ対策が必要ですね。
七十二候 初候 霜始降(しもはじめてふる) 10月24日〜10月28日
次候 霎時施(こさめときどきふる) 10月29日〜11月2日
末候 楓蔦黄(もみじつたきばむ) 11月3日〜11月7日
七十二候 末候 楓蔦黄(もみじつたきばむ) 11/3〜11/7頃 楓(かえで)や蔦の葉が色づく頃
晩秋の山々は赤や黄に彩られ、紅葉狩りの季節です。
一般的に紅葉は、朝の最低気温が8度前後を下回る日が続くと始まります。
“蔦”には真っ赤に紅葉するものとしないもの2種類があります。
冬でも葉が落ちず緑色なのがウコギ科の「キヅタ」で、「冬蔦」とも呼ばれており、ガーデニングで人気のアイビー、
ヘデラなどがあります。
ヨーロッパでは石造りの家の壁に蔦をはわせて壁面を蔦で覆いつくした家が多くみられますが、
我が家では裏庭の植栽に植えていた蔦が壁をはって、隙間から家の中まで進出しだしたので、慌てて切り込みました。
石造りではない日本の家屋は蔦がはう事により壁が傷むうえ、木質化した幹はどんどん太くなるので、
簡単には取り除く事が出来なくなるため注意が必要です。
反面アーチなどに絡ませると全面を覆いつくし、とても素敵なアーチになります。
秋になると美しく紅葉し、冬には葉が落ちてしまうのはブドウ科の「ツタ」で、「夏蔦」とも呼ばれています。
落葉時には葉を支えている柄の部分を残して先に葉の部分だけが落ち、そのあと残った柄が落ちます。
ブドウ科だけあってブドウのような実をつけます。
童謡で有名な『まっかな秋』にも出てくる“蔦のはっぱ”はこちらの蔦ですね。

蔦というと兵庫県にある甲子園球場が思い浮かびます。

メインは紅葉する「ナツヅタ」で季節ごとに表情を変え、日当たりのよくない場所には、日陰に強い常緑の「キヅタ」が使われており、応援に行くお客様の目を楽しませています。
こちらの蔦は甲子園球場リニューアルに伴い伐採された蔦の代わりに、2000年、「20世紀メモリアル事業」の一環として
全国の高校野球連盟加盟校4170校に蔦の種子が配布され、各地で育てられた蔦のうち、生育状態の良い苗が233校から集められ、2008年から「ツタの里帰り」と称して再植樹されたもので、レフトスタンド照明塔支柱の根元に、233校の校名を刻んだ銘板があるそうです
過ごしやすい紅葉の季節をお出かけして秋を楽しんだり、寒い冬が来る前にお庭でバーベキューパーティーなどをしたり、寒さ対策のガーデニングをするのもいいかもしれませんね!
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2023.10.6
二十四節気 寒露 10/8〜10/23頃
寒露とは、草木に冷たい露が降りる時期という意味で、 この時期になると朝晩はぐっと冷え込むようになります。
実りの秋の収穫も盛りになる時期。雁などの渡り鳥が北方から渡ってくるのも寒露の頃です。
朝晩の冷え込みはきつくなりますが、空気が澄んだ秋晴れの過ごしやすい日が多くなります。
月が美しく輝き、虫の声も鈴のような音色が響きます。
これから来る冬に向け、寒さ対策を始める目安にするとよい時期です。
七十二候 初候 鴻雁来(こうがんきたる) 10月8日〜10月12日
次候 菊花開(きくのはなひらく) 10月13日〜10月18日
末候 蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり) 10月19日〜10月23日
次候 菊花開(きくのはなひらく) 10/13〜10/18頃 菊の花が咲き始める頃。
旧暦では9月9日「重陽の節句」(現在の暦では10月中旬にあたる)、別名「菊の節句」の時期で、
菊で長寿を祈願しました。 この時期の晴天を「菊日和」と言います。
菊は、イエギクと呼ばれるキク属の植物の総称です。
日本では、皇室の紋にも定められ、品格の象徴とされてきました。
中国原産で、2,000年以上前から薬用や食用として栽培されており、
日本へは奈良時代頃に伝わり、平安時代以降に観賞用として栽培されるようになりました。
もともとは上流階級の間で楽しまれていましたが、安土桃山時代から江戸時代にかけて庶民の間に普及し、
たくさんの品種が生み出され、江戸時代には欧米へと渡り、アメリカと西ヨーロッパで独自の発展を遂げます。
ひとくちに「菊」といっても、色や見た目は様々。
日本で作られた品種を「和菊」、欧米で作られた品種を「洋菊」と大きく2つに分けられます。
今では、世界中にたくさんの菊の品種があり、
切り花やアレンジメント、鉢植え、花壇植えなど様々な方法で楽しまれています。
江戸時代に創りだされた「古典菊」と、花びらのサイズごとに「大菊」「中菊」「小菊」があります。
特に明治時代以降は「大菊」が盛んに作られ、今でも菊花展覧会など多くの品評会が各地で行われています。
大菊の仕立て方も三段仕立て盆養、ダルマづくり、福助づくり、懸崖づくり、千輪咲き、ほか多くの種類があり、
どれも見ごたえがあります。
私は菊と言えば一番に思い出す「枚方大菊人形」。
皆さんご存じの“ひらパー”こと「ひらかたパーク」で、子供の頃見た菊人形が印象的で、
何十年も経った今でも思い出します。
豪華な菊の花の衣装を着た人形がずらりと並んだ姿は圧巻。
今はもう人形展は行われていませんが、カタチを変えて「ひらかた菊フェスティバル」として
枚方市で行われているようです。
山形県内各地、青森県八戸市など東北地方、新潟県の中越から下越などで栽培されている、
花を食用にする食用菊があり、刺身のつまに見かける事が多くあります。
花びらのみを食用とするものは、独特の甘みがあり、茹でてお浸しにしたり、
酢の物や胡桃合え、天ぷらや吸い物に用いられたりします。
不老長寿の願いを込めて飲む「菊酒」は、花びらを蒸して冷酒に浸し漬け、
高貴な花の香りを酒に移したもの。
菊には高い殺菌・解毒作用があるので、近年では残暑厳しい時期に
菊を使った料理を楽しむのもよいのではないでしょうか。
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2023.9.22
二十四節気 秋分 9/23〜10/7頃
秋分の日
太陽の黄道(おうどう・こうどう)の位置によって算出されるため、その年によって日付が変わる祝日です。
「秋分の日」は太陽の通り道の黄道と天の赤道の交点「秋分点」を通過した日の事をいい、
国立天文台が算出し、閣議決定しているので毎年同じ日になるわけではありません。
2023年の秋分の日は9月23日土曜日になります。
秋分の日は「彼岸の中日(ひがんのちゅうにち)」ともいわれており、
昼と夜の長さがほぼ等しくになることから、この日は彼岸と此岸の距離が最も近く
「現世と極楽浄土が最も近くなる特別な日」の一つだと考えられてきました。
ですから、この機会に先祖のお墓参りをし、先祖への感謝の気持ちを表してみませんか。
七十二候 初候 雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ) 9月23日〜9月27日
次候 蟄虫坏戸(むしかくれてとをふさぐ) 9月28日〜10月2日
末候 水始涸(みずはじめてかる) 10月3日〜10月7日
七十二候 雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ)9/23〜9/27頃
夏の間、夕立をともないゴロゴロと鳴り響いていた雷がおさまる頃。
入道雲の代わりに、空にはうろこ雲やいわし雲があらわれます。
「暑さ寒さも彼岸まで」の言葉の通り、残暑も落ち着き、秋の気候へと変わっていきます。
ガーデニングをするには最適な時期になりますね。
暑くて出来なかった草取りをし、新しいお庭づくりでDIYをするのもはかどります。
この時期は、いわば来年の庭の「仕込み時期」。
秋は宿根草や春咲き球根(チューリップやヒヤシンスなど)、バラ苗、果樹苗の買いどき、植えどきです。
宿根草やバラなど、素敵な品種は売り切れる前にゲットし来年の庭の準備をしましょう。
近年では通販で購入できるところもたくさんあります。
お庭やベランダにフェンスやパーゴラ、アーチなどを設置してみてはいかかでしょう。
いつものお庭やベランダの雰囲気を変えるのもありかもしれません。
趣味彩十でも皆様のお役に立つガーデン商品を取り揃えておりますので、ショップを覗いてみてください。
秋はスポーツの秋、芸術の秋、読書の秋、行楽の秋、食欲の秋ともいわれ、
何をするにもとても良い季節です。
私はその中でも食欲の秋が一番でしょうか。
食べ物がおいしい季節なので、旬の食べ物を楽しみたいと思います。
旬の食べ物と言えば、
【魚介類】秋刀魚、鯖、鰹、鮭、いくら・すじこ、しらす
【野菜類】さつまいも、かぼちゃ、里芋、茄子、じゃがいも、にんじん、しょうが
【きのこ類】しいたけ、しめじ、エリンギ、松茸
【果物】柿、梨、ブドウ、栗、イチジク
などがあります。
最近は甘〜い焼き芋がブームになっていますね。
カボチャもホクホクで美味しいです。
オレンジ色のカボチャはハロウィンの飾りにお庭でも人気のオブジェです。
皆さんも楽しみがいっぱいの秋を満喫してください。
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2023.9.8
二十四節気 白露 9/8〜9/22頃
夜中に大気が冷え、草花や木に朝露が宿りはじめる頃。
日中の暑さも和らぎはじめ、だんだんと秋の気配が深まっていきます。
秋の七草が咲き始め、植物を通しても秋の風情を感じられます。
七十二候 初候 草露白(くさのつゆしろし) 9月8日〜9月12日
次候 鶺鴒鳴(せきれいなく) 9月13日〜9月17日
末候 玄鳥去(つばめさる) 9月18日〜9月22日
七十二候 草露白(くさのつゆしろし)9/8〜9/12頃
「露」とは、夜の気温がぐっと下がって冷やされた空気中の水蒸気が、 水滴となって葉や草花についたものです。
その露が、光の反射で白く輝くように見えることから「白露」の名前がついたとされます。
日本では秋の色が「白」に結び付きにくいものですが、 中国の陰陽五行では、方角にいる神様に応じて色や季節を当てはめて考えており、 秋の色は「白」とされています。
光の屈折や反射によって起こる現象に虹があります。
虹は太陽の光が雨の粒に屈折や反射をして、色に分かれる事で出来る現象です。
太陽の光にはいろんな色が混ざっていますが、光の色によって屈折する角度が違います。
水滴の中で光が跳ね返って出てくるとき、色が分けられて見えます。
空には沢山の水滴があって、それぞれが虹の色を映しています。
自然現象では虹がありますが、室内でも楽しめる物にサンキャッチャーがあります。
サンキャッチャーとは、クリスタル製のガラス玉を用いたインテリアアクセサリーのことです。
太陽が当たる場所に飾ると、光を反射して美しい輝きを放つのが特徴。
プリズム効果で室内に虹色粒が広がることから「レインボーメーカー」とも呼ばれています。
10月にはハロウィンもあります。
お庭やお部屋をキラキラ光るイルミネーションやオブジェなどで飾って楽しんでみてはいかがでしょう。
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2023.8.17
蒙霧升降(ふかききりまとう) 8月17日〜8月22日頃
深い霧が立ち込める頃。
朝夕のひんやりとした心地よい空気の中、深い霧が幻想的な風景をつくりだします。
春は「霞(かすみ)」、秋は「霧(きり)」と季節によって呼び方が変わります。
雲海と言えば「日本のマチュピチュ」「天空の城」と呼ばれる竹田城が有名ですね。
兵庫県朝来市にある竹田城は、日本の名城百選にも選ばれている山城です。
霧の中に浮かぶ山城跡は、日本のお城とは思えないほど神秘的な雰囲気があります。
天守閣は残っておらず、石垣のみですが、今でも多くの観光客が訪れています。
石垣の積み方も魅力の一つ、自然石を加工せずに積む野面(のづら)積みと呼ばれるもので、「穴太(あのう)衆」と呼ばれる技術集団の石積み技法(穴太積み)により積まれていて、敵が来た時に、よじ登りにくくなっているそうです。
竹田城の雲海の見頃は9月下旬から11月の明け方から午前8時までがベスト。
一定の条件を満たすと見ることができます。
朝と昼間の気温差が大きく、微風があり、但馬南部に濃霧注意報が出ている日は、素晴らしい景色を見ることができるそうです。
兵庫県出身の私ですが、まだ雲海を見に行ったことがありません。
近くを通る事はあるけれど、軽装備とはいっても早朝約30分の山登りをするとなると、ちょっと勇気が出ないのが正直なところ。だけど、一度は自分の目で見てみたい景色でもあります。
立秋 末候のこの時期は日中残暑もありますが、朝夕は作業がしやすく お庭のお手入れも力が入る時期です。
夏の花が終わると春のための準備として、パーゴラやフェンスを設置するなど、少しづつお庭を整理していかなくてはいけませんね。
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2023.8.1土潤溽暑(つちうるおうて むしあつし)7月27日〜8月1日頃
大暑に続く七十二候の第三十五候です。
この時期は地面が熱され、陽炎が立ち一年で最も暑さを感じるころです。
炎天下に咲く、真夏の花といえば、「向日葵(ひまわり)」が代表的。
ひまわりは北アメリカ原産のキク科の一年草で、 日本にもたらされたのは江戸時代前半で、当初は「丈菊(じょうぎく)」と呼ばれていたようですが、 のちに「ひまわり」と呼ばれるようになりました。
ほかに「日輪草(にちりんそう)・日向葵(ヒュウガアオイ)」ともいいます。
ロシアの国家でもあるひまわり。種は食用や油としても世界中で利用されていて、 紀元前からアメリカ先住民の食用作物として重要でした。
鉄分や亜鉛、ビタミン、リノール酸、パントテン酸、葉酸など豊富な栄養が入っています。
特に多く含まれているリノール酸は、血液をさらさらにする効果があり、生活習慣病の予防にもなります。
鮮やかな黄色などの花を咲かせ、高さ2m以上になることもあるヒマワリは、人々の心を魅了します。
先日、私もひまわり畑を見に行ってきました。
ジリジリと暑い中、笑顔いっぱいに咲いているように見えるひまわりは、 私たちにも元気をわけてくれています。
「溽」はむしあついを意味する漢字。辱はもともと草を刈り重ねる意味で氵を付けて蒸し暑さを現します。
雑草も勢いよく伸びているこの時期、暑さの中で咲くひまわりに負けず、私たちも草刈り作業を頑張らなくてはなりませんね。
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2023.7.18鷹乃学習(たかすなわちわざをならう)7/18〜/22頃
二十四節気の小暑、末候を表した言葉です。
5、6月に孵化した雛が、巣立ちの準備をする頃のこと。
独り立ちのために飛び方や獲物の捕り方など、一人前になるよう学ばなくてはなりません。
親から狩りを学び、8〜9月に独立していきます。
鷲や鷹は生態系のトップに位置していますが ただでさえ厳しい自然環境は、昨今の環境の変化によりさらに悪化し、 彼らの生存を脅かしています。
例えばイヌワシは海外の繁殖成功率は50%程度なのに対して、 日本では1990年代には50%から約半分近くに落ち込んでいます。
開発による適切な生育環境の減少は彼らの個体数に影響していると思われます。
人類の活動の影響は、私達にも勿論影響を与えています。
温室効果による気温上昇や激甚災害の多発など、 過去を学び未来につなげていくことが課題ではないでしょうか。
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2023.7.3半夏生(はんげしょうず)7/2〜/6頃
七十二候は半夏生です。
半夏生は夏至から数えて11日目を指します。
半夏生とは一般的には聞きなれない言葉かと思われます。
どことなく不穏なで不気味なイメージを感じませんか。
半夏生には”毒気が降ってくる”ので”井戸に蓋をする”とか”地面から生える筍や蕨などを食べない”とか、”ハンゲという妖怪が徘徊する”ので外に出かけないなど、調べてみると、やや不吉な伝承が多いです。
梅雨時なので食べ物に気をつけろという事ですかね。
また、半夏生までに田植えを終えるとされていたので、疲れた体を休めるための知恵だとも言われます。
半夏生と関連のある植物は、マムシグサや半夏(カラスビシャク)などのサトイモ科の植物と、半夏生(半化粧・カタシログサ)というドクダミの仲間。
どちらも薬草ですが、七十二候の半夏はカラスビシャクの方。
漢方薬の生薬として、農家の方が根を掘ってお小遣いにしていたそうです。
半夏生は花穂の下にある葉がこの時期だけ白くなります。
化粧をほどこしたように見えることから半化粧→半夏生になったと言われます。
京都の古刹には半夏生の庭で有名なお寺があります。
半夏生は派手な花ではありませんが、お庭を涼やかにしてくれる植物だと思います。
これからの時期、暑くてお庭のお手入れも大変になるかと思います。
そんな時はじっくりとお庭の改造計画などしてみてはいかがでしょうか。