
二十四節気 処暑 8/22〜9/6頃
残暑は未だ継続していますが、夏の太陽の勢いが徐々に静まり暑さも徐々に和らぐ。
時間が流れるにつれ日照時間が短くなり、朝夕は過ごしやすくなる時期。
朝夕は涼しい風も吹き、虫の音も聞こえてきます。
台風到来の時期でもあるため、自然災害には気をつけなければなりません。
七十二候
初候 8月22日(木)〜8月27日(火) 綿柎開(わたのはなしべひらく)
次候 8月28日(水)〜9月1日(日) 天地始粛(てんちはじめてさむし)
末候 9月2日(月)〜9月6日(金) 禾乃登(こくものすなわちみのる)
初候 8月22日(木)〜8月27日(火) 綿柎開(わたのはなしべひらく)
綿の実を包んでいた萼が開きはじめ、中から綿毛が出てくる頃。
柎(はなしべ)とは、萼のことです。
綿は花が咲いた後に子房が膨らみ緑色の実を結び、花のがくが開くと真っ白な綿花が見られます。

その実が熟してはじけると、種をくるんでいる白いふわふわが現れます。
これが「綿花」と呼ばれる部分で、この繊維で糸や織物、木綿などを作ります。
綿花は花ではなく、果実の事をいいます。
はじけた果実が花のように見えるから綿花と呼ばれるようになったようです。
綿花の中には種子があり、その周りをふわふわの綿毛が覆っていて、綿花の綿毛を取り出し、糸にしてから布地に織ったものが、コットンです。
コットンといえば、衣類やタオルなど、身近なところに溢れている素材ですね。
綿花は収穫が望めるのはもちろん、鑑賞用としても楽しめます。
綿花は暖かい気候で育つ植物なので、熱帯、亜熱帯気候の地域を中心に栽培されています。
世界中の綿花生産量は、年間およそ2600万トン。
なかでも中国、インド、アメリカが三大生産国です。
日本でも江戸時代に盛んに栽培され、1930年代には綿布の輸出量が世界一となりましたが、安い原料が日本に入るようになり、現在はほとんど生産されていません。

少量しかないので、上手くいけばドライフラワーにしてリースにしようと考えていましたが、収穫までは出来たものの、強風で枝が折れてしまい折角できたコットンフラワーが汚れたり、成長途中でダメになってしまったため、リースには出来ませんでした。
しっかりと開いて可愛くコロンとした形になったものは、ドライにしてお部屋のインテリアにしました。
オーガニックだったからか種類のせいか理由はわかりませんが、白い綿ではなく生成色の綿だったように記憶しています。
オーガニックコットンとは、「有機農法で栽培された綿花(コットン)」のことを言います。
単純に無農薬栽培を指すのではなく、農地を化学物質などによる汚染や乱開発から 守る管理システムがあり、あらゆる工程で発生する現地の労働者の人権に至るまでも十分に配慮されたものを指しています。
2〜3年以上、化学肥料や化学物質などが含まれる農薬を使用していない畑で育てられ、環境負荷を最小限に抑えることや労働の安全、児童労働などの社会的規範を守る事が基準とされて 栽培された綿花(コットン)のことです。
品質面では普通に栽培されたコットンとさほど大きな違いはありません。
しかし、通常綿花の栽培は害虫から守るために化学物質を含む農薬や化学肥料を使用しており、土壌や、生物にも影響を与えています。
また、農薬の生産や、農薬を散布する機械の生産・利用のなかで、多くのCO2を排出しています。
コットンといえば自然素材のため、環境に優しいと思っていましたが、栽培される工程では 環境に悪い影響もある事、歴史においては児童労働や低賃金、差別や危険な労働環境など人権を侵害する様な環境で従業していたことを知りました。
世界でオーガニックコットンの占める割合は、約1%だと言われているそうです。
持続可能な社会の構築には環境の保全た?けて?なく、社会的規範の遵守と責任、文化の尊重と発展、経済的な持続可能性が必要です。
オーガニックコットンの生産を増やすことは、持続可能な社会に貢献できるのでは?と感じました。
日本国内でも以前のようにオーガニックコットンの栽培が盛んになり、人と地球を守る社会に一歩でも近づけるようになると嬉しく思います。
ご興味のある方は、綿花の栽培にチャレンジしてみてください!
出来たコットンフラワーはドライフラワーにして飾るととっても可愛いですよ。
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2024.8.7
二十四節気 立秋 8/7〜8/21頃
暦の上では秋の始まりとなりますが、実際は残暑が厳しい時期です。
立秋から「暑中見舞い」の葉書が「残暑見舞い」へ。
秋の兆しが見え始める時期。
秋の気配が少しずつ感じられ、空にはイワシ雲が見え始めます。
時折涼風がそよぎ、ひぐらしが鳴きはじめる頃です。
七十二候
初候 8月7日(水)〜8月11日(日) 涼風至(すずかぜいたる)
次候 8月12日(月)〜8月16日(金) 寒蝉鳴(ひぐらしなく)
末候 8月17日(土)〜8月21日(水) 蒙霧升降(ふかききりまとう)
初候 8月7日(水)〜8月11日(日) 涼風至(すずかぜいたる)
夏の暑い風から、秋の涼しい風に替わりはじめる頃。
まぶしく輝いている太陽も日射しを和らげ、夕方に鳴く虫たちの音色も涼しさを演出してくれます。
小さな変化が起こり始める時期のため、注意をしてないと見過ごしてしまいそうです。
空を見上げ、耳を済ませば小さな秋の訪れを感じる事が出来るでしょう。
8月11日は「山の日」です。
2014年(平成26年)に「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」ことを趣旨とし、日本の国民の祝日の一つとして制定、2016年(平成28年)より施行されました。

2016年8月11日(木)は初めての国民の祝日として、第1回山の日記念全国大会が長野県松本市の上高地で開かれました。
上高地(かみこうち)は、飛騨山脈(北アルプス)南部の長野県側、梓川上流にある景勝地です。
誰しもが一度は目にしたことがあると思われる上高地を代表する景色、河童橋から見る穂高連峰は素晴らしい景観です。
中部山岳国立公園の一部ともなっており、国の文化財(特別名勝・特別天然記念物/天然保護区域)に指定されています。
私は記念大会が開かれることを知らず、たまたま家族と共に上高地を訪れており、上高地をトレッキングした後、帰宅するバスターミナルで記念大会があった事を知りました。
記念式典には当時の皇太子徳仁親王、雅子皇太子妃、敬宮愛子内親王、オーストリア・スイス他各国大使館関係者などが 出席されていたそうです。
残念ながら、私たちは式典も皇太子ご一家の姿も拝見出来ませんでした。
我が家の子供たちはまだ小さく、それほど記憶にも残っていないだろうと思っていましたが、上高地の景色は印象に残っているらしく、また行ってみたい場所だと言います。
中ノ湯から上高地へ向かう長野県道24号上高地公園線は、通年で自然を守るための マイカー規制が行われているため、一般車は通行できません。
シャトルバスかタクシーを利用して上高地バスターミナルへ向かうことになります。
これは環境を守る取り組みがなされているからです。
現在、全世界で環境問題が深刻化しています。
気候変動に関する環境問題・・・地球温暖化、海面上昇、森林火災、砂漠化、異常気象の増加、森林破壊など
地球の汚染やごみに関する環境問題・・・オゾン層破壊、海洋プラスチック問題、水質汚染、土壌汚染など
生態系に関する環境問題・・・人口増加、生物多様性など
日本国内でも環境問題解決のために様々な取り組みが行われており、少しでも環境が良くなり、現在の素晴らしい景色をずっと先の世の中でも見る事が出来ればいいと思います。
その為には私たち個人は何をすればよいのでしょう?
環境問題を他人事と考えず、現在起こっている問題を知る事だと思います。
どんな問題があり、原因は何か、どんなことをすれば解決できるのかを知る事で、日々の生活で出来る事がわかります。
小さなことから始めていく事で、次のステップへ進む事が出来ます。
「山の日」をきっかけに皆さんも環境問題を考えてみてはいかかでしょうか。
一人一人がほんの少しでも環境について考える事で、何かの役に立てるのではないかと思います。
「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」
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2024.7.22
二十四節気 大暑 2024年7月22日(月曜日) 7/22〜8/6頃
最も暑い時期。快晴で気温が上がり続ける頃。
夏の土用の丑の日(うしのひ)にはうなぎを食べる習慣が広まっています。
七十二候
初候 7月22日(月)〜7月26日(金) 桐始結花(きりはじめてはなをむすぶ)
次候 7月27日(土)〜8月1日(木) 土潤溽暑(つちうるおうてむしあつし)
末候 8月2日(金)〜8月6日(火) 大雨時行(たいうときどきにふる)
初候 7月22日(月)〜7月26日(金) 桐始結花(きりはじめてはなをむすぶ)

桐は、4月から5月くらいに薄紫色の花を咲かせ7月くらいから卵形の実を結びます。
長さ3cmほどの実の中には、翼のある種子がたくさん入っており、風に乗って飛散します。
またこの頃に来年の4〜5月に咲くために蕾をつけます。
桐は夏に蕾をつけ、秋・冬と越えて春に咲くという変わった花。
古来より高貴な木とされ、家紋や紋章の意匠に取り入れられてきました。
紋(または桐花紋)といい「菊の御紋」に次ぐ高貴な紋章とされ、歴史上の人物では足利尊氏や豊臣秀吉の家紋です。
天皇家や日本政府、そして500円硬貨でも桐が使われています。
日本では質のいい木材として、タンスや下駄(げた)、箏(こと)の材料として大切にされてきました。
特に桐タンスは高級家具の代名詞。
昔の農家では、女の子が生まれると庭に桐を植え、成人したときにその桐でタンスを作り 嫁入り道具として持たせました。
我が家でも昔、祖母の嫁入り道具?の桐箪笥がありましたが、今はもうありません。

桐の板は軽くて柔らかく、気密性が高いため隙間のない箪笥を製作するのに適した素材です。
表面が焦げて炭化しても燃え広がりにくいのも木材の中でも熱伝導率が低い桐ならではの特性です。
タンニン、パウロニン、セサミン等の成分により細菌や害虫を寄せ付けず、湿気に強いため、湿度の高い日本の風土で着物などの衣類を収納するのに重宝されてきました。
しかし、最近では着物を保管することが少なくなり、収納はクローゼットに変化し、桐箪笥は見かける事が少なくなりました。
その代わり、外国人の和風ブームで玄関やリビングに置くインテリア家具として、オシャレに装飾されたインテリアとしての和箪笥が人気です。

桐箪笥(桐たんす)は、価格帯が幅広い家具。
安いものなら数千円から、高いものだと100万円以上するものも珍しくありません。
桐箪笥の価格の違いは、基本的に、使われる材料や製造工程、作りの違いによるものです。
高価で作りの良い桐箪笥ほど、気密性や耐久性が高いと言えますが、用途によっては最高級の桐箪笥でなくとも十分な場合も。
自分にとって適正な価格の桐箪笥を選ぶことが大切です。
外国人は日本の良さを知り、日本を好きなり、日本の魅力あるものを求めています。
外国人だけでなく、日本人の私たちも日本のよきモノを知り、良さに触れ、守っていく事も大切な事かもしれません。
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2024.7.5
二十四節気 小暑 2024年7月6日(土曜日) 7/6〜7/21頃
梅雨も明けて雲の隙間からの陽射しも強くなり風も熱気を帯びて夏らしく感じる季節。
小暑から立秋までを「暑中」と呼びこの時期に送る葉書が「暑中見舞い」。
梅雨の明けはじめで集中豪雨や雷雨が多く見られます。
台風の接近や上陸時に集中豪雨やゲリラ豪雨が発生しやすくなっているため、注意が必要です。
蝉が鳴き始めるころです。
七十二候
初候 7月6日(土)〜7月11日(木) 温風至(あつかぜいたる)
次候 7月12日(金)〜7月16日(火) 蓮始開(はすはじめてひらく)
末候 7月17日(水)〜7月21日(日) 鷹乃学習(たかすなわちわざをなす)

初候 7月6日(土)〜7月11日(木) 温風至(あつかぜいたる)
梅雨が明ける頃で、暖かい風が拭いてくる季節。
古くから南方より吹く湿った風のことを東日本では「みなみ」、西日本では「南風(はえ)」と呼んでいました。
もともと漁師さんたちが使っていた言葉のようです。
梅雨明けに吹く南風のことを「白南風(しらはえ)」と言いますが、ちょうど「温風至」の時期に吹く風の事です。
それと対象に、梅雨の最中に吹く風は「黒南風(くろはえ)」と呼ばれています。
白黒どちらも湿った暖かい風なのですが、黒い雲に覆われた梅雨空の元に運ばれてきた南風は黒、梅雨が明け晴れた青空の元運ばれてきた南風は白とイメージに合わせた色で呼ばれています。
梅雨が明ける頃、湿り気を含む暖かな空気が多く流れ込むため、雷雲が多く作られます。
雷雲の影響で、雷雨や突風が起こることも増える一方、日差しも強くなり、気温の上昇も著しいものがあります。
ここ数年、毎年のように大雨や集中豪雨によって大規模な水害が発生し、その原因として「線状降水帯」という言葉が聞かれるようになりました。
線状降水帯とは次々と発生する発達した雨雲(積乱雲)が列をなした、組織化した積乱雲群によって、数時間にわたってほぼ同じ場所を通過または停滞することで作り出される、線状に伸びる長さ50〜300km程度、幅20〜50km程度の強い降水をともなう雨域をいいます。
線状降水帯は、その形成過程・構造によっていくつかの種類に分けられ、その中でも、長時間の大雨をもたらし災害に直結する恐れが特に高い「バックビルディング型」線状降水帯があります。
バックビルディング型線状降水帯の発生メカニズムは、下層の暖かく湿った空気が大量に流入し、その空気が地形や局地的な前線などの影響によって、持ち上げられて雨雲が発生します。
大気の状態が不安定な状態の中で、雨雲は積乱雲にまで発達し、さらに次々と積乱雲が発生します。
上空の風がこの積乱雲を押し流すことにより、発生した積乱雲が列になり、同じ場所で長時間の強い雨となり線状降水帯になります。
発生しやすい地域として「暖かく湿った空気」の入り込みやすい西日本、特に九州地方での発生事例が多くなっています。
線状降水帯が起こりやすい地域はあるものの、どの地域でも災害は起こり得ます。
地域や時期などではなく、日頃から災害の備えは必要です。
これを機会に非常持ち出し袋の点検や常備食糧などをチェックし、災害時に困らないよう準備をしておいてください。
非常持ち出し袋チェックリスト
□懐中電灯 □ヘルメット(頭巾) □非常用食料・飲料
□予備バッテリー(乾電池) □歩きやすい靴 □食料以外の水
□携帯電話用充電器(電池式) □携帯トイレ □ゴミ袋
□携帯ラジオ □歯ブラシ □紙皿・紙コップ・ラップ
□ライター・ローソク □眼鏡・コンタクトレンズ □生理関連用品
□マスク □ブラケット □ティッシュ・ウエットティッシュ
□救急箱(常備薬・お薬手帳) □衣類・タオル
□貴重品(現金・預金通帳・印鑑など、免許証、健康保険証やマイナンバーカードのコピー)
※防災グッズは最低3日分、可能なら7日分は用意しておきましょう。
家族が多い場合は、一人に1個のリュックを準備しておけば、持ち出せる数の可能性が高くなるのでオススメです。
その他、お年寄り、子供、赤ちゃん、ペットがいる場合にいる物も準備が必要です。
家族構成などによって必要なものを考えてみてください。
また、近年人気のアウトドア用品も災害時に役に立つアイテムが揃っています。
アウトドアを楽しみながら、災害に備える!そんな使い方もいいかもしれません。
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2024.6.21
二十四節気 夏至 2024年6月21日(金曜日)6/21〜7/5頃
一年で最も昼が長く夜が短くなる日。この日を境にだんだんと日が短くなっていきます。
アヤメなど夏の花が咲きはじめ、暑さが増していきます。
七十二候
初候 6月21日(金)〜6月25日(火) 乃東枯 (なつかれくさかるる)
次候 6月26日(水)〜6月30日(日) 菖蒲華 (あやめはなさく)
末候 7月1日(月)〜7月5日(金) 半夏生 (はんげしょうず)
次候 6月26日(水)〜6月30日(日) 菖蒲華 (あやめはなさく)

菖蒲は「あやめ」とも「しょうぶ」とも読むことが出来ますが、「菖蒲華」の菖蒲は、花の咲く時期から「ハナショウブ」ではないかと考えられています。
花しょうぶは比較的水はけのよい場所を好み、6月ごろに花を咲かせます。
アヤメ科アヤメ属の多年草である。別名「ハナアヤメ」
アヤメ科アヤメ属の花は種類が多く、文目(あやめ)、燕子花/杜若(かきつばた)、花菖蒲(はなしょうぶ)、ジャーマンアイリスなどがよく見られます。
一初(いちはつ)や著莪(しゃが)もアヤメ科です。
江戸時代中期には菖蒲の品種改良が始まっていたというくらい、菖蒲は古くから日本で愛されてきました。
アヤメ・ショウブ・カキツバタ・ハナショウブは非常に混同しやすい植物です。

アヤメ
草丈:30〜60cm
花:花びらの付け根に網目状の模様があります。
葉:葉は細く葉脈は目立ちません。
見分け方:あやめは菖蒲、かきつばた(杜若)に比べて全体的に小ぶり。明るい草原を好み、花びらの網目模様が特徴。
開花時期:5月初旬〜5月末
ショウブ
草丈:50〜100cm
花:花茎の先に黄緑色の肉穂花序があり細花が一面に咲きます。
葉:葉は細く、左右から扁平(へんぺい)で中央脈が高く目立ち、葉先が鋭くとがって、剣のような形をしています。
見分け方:水辺を好み、緑色の棒のような円柱状の肉穂花序が咲く。
開花時期:5月初旬〜7月
カキツバタ
草丈:50〜70cm
花:花びらの付け根に白い筋があります。
葉:葉の幅は2〜cmと広く薄めで、葉脈は目立ちません。
見分け方:湿地や水辺を好み、花びらの付け根にある白い筋が特徴。
開花時期:5月初旬〜6月中旬、秋咲きもあります。
ハナショウブ
草丈:80〜100cm
花:花びらの色が多彩。花びらの付け根に黄色い筋があり、花弁は筋がありません。
葉:葉は細く、葉脈がくっきりとしていて、葉の中央に筋が1本通っています。
見分け方:湿地を好み、花びらの付け根にある白い筋が特徴。
開花時期:6月初旬〜7月中旬
端午の節句には「菖蒲湯」に入る風習があります。
使われるショウブは水辺に生えるショウブ科ショウブ属の植物です。
お湯に入れると香りとともに薬効のある精油成分の油が浮いてきます。
刀のような鋭い葉には邪気を払う力があるとされ、厄除けや健康祈願する風習になったとされています。
「いずれ菖蒲(あやめ)か杜若(かきつばた)」ということわざがあります。
どれも素晴らしくて、選択に迷うことを言います。きれいなお花に例えた、風情のある素敵なことわざです。
我が家には花菖蒲はありませんが、ジャーマンアイリスを植えています。
花壇に植えてあるのですが、今まで全く花が咲いたことがありませんでした。
余りに咲かないので、数年前に場所を移動してみましたが、やっぱり葉は大きくなるものの咲かなかったので、諦めていました。
なのに・・・今年は沢山の花を咲かせてくれました。10年以上かかってやっと咲いてくれたので、本当に嬉しかったです。
20年以上前になりますが、兵庫県三田市にある永沢寺や宍粟市の播州山崎花菖蒲園に あった花菖蒲園に行ったことがあります。
広い園庭に何万本も所狭しと花しょうぶが植えられ、とても素晴らしい景色で感動しました。
しかし、どちらもは閉園してしまっているようです。
また、あの景色を見に行ってみたいと思っていたのに、見られなくなってしまいとても残念に思います。
皆さまもお気に入りの景色はありますか。
お出掛けして季節ごとの美しい景色を探してみるのも楽しいですよ。
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2024.6.5
二十四節気 芒種 6/5〜6/20頃
芒種は「ぼうしゅ」と読みます。
「芒」は訓読みで「のぎ」と読み、稲穂や麦穂などイネ科の植物の穂先にある細い毛のような部分を示します。
漢字の禾(のぎ)偏と同じ意味です。 芒種とは、米や麦など穂の出る穀物の種をまく時期という意味。
麦の刈入れや田植えを行う目安となっています。
芒種のころは暑さが日一日と増し、湿度も高くなります。
そして西日本から梅雨入りし、梅雨前線が北上していきます。
また、日本では古来より「6歳の6月6日に稽古を始めると上達しやすい」と言われてきました。
七十二候
初候 6月5日(水)〜6月9日(日) 螳螂生(かまきりしょうず)
次候 6月10日(月)〜6月15日(土) 腐草為蛍(くされたるくさほたるとなる)
末候 6月16日(日)〜6月20日(木) 梅子黄(うめのみきばむ)

次候 6月10日(月)〜6月15日(土) 腐草為蛍(くされたるくさほたるとなる)
草の中から蛍が舞い、光を放ち始める頃。 昔の人は、草場から蛍が舞う様子を見て、枯れて腐った草が蛍になったと信じていました。
日本にはさまざまな蛍がいますが、有名な蛍は「源氏蛍」「平家蛍」「姫蛍」です。
この3種類の蛍の特徴を纏めてみました。
ゲンジボタル
大きさ:15mmから18mm程度 かなり大きく胸に十字の模様
光り方:他の蛍よりも大きく、光る感覚が長い
時期:5月下旬〜6月下旬
生息場所:水辺
生息地域:日本のみ 本州、四国、九州など、日本中の幅広い地域
ヘイケボタル
大きさ:10mmから12mm程度 小さめで全体的に丸みを帯びた形と、前胸の黒い斑点が「1」の形
光り方:1秒前後で点滅しながら、揺れるように飛び回る
時期:6月〜8月
生息場所:水辺
生息地域:北海道、本州、四国、九州、千島列島、日本以外にも、シベリア地方、朝鮮半島、中国などにも生息
ヒメボタル
大きさ:5mmから7mm程度 かなり小さく、胸のあたりに黒い半円形の模様、背中の黒色が特徴的
光り方:ほぼ一秒間隔で、フラッシュのように光る
時期:5月下旬〜6月下旬
生息場所:陸地
生息地域:日本のみ 本州、四国、九州、屋久島、高山から町の中まで、多様な場所
名古屋城の外堀に繁殖しているのが有名で、夏の風物詩として親しまれている

蛍が発光するのは「敵への威嚇や警告」「交尾のための交信」「捕食のための誘引」などの説があります。
水辺や野の暗がりに浮かんでは消える蛍の光は、まさに夏の風物詩。
群れになって発光する姿は、夏の夜を幻想的に照らし出してくれます。
清少納言の枕草子にある有名な一節 「夏は夜。月のころはさらなり。やみもなほ、蛍の多く飛びちがひたる。 また、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光りて行くもをかし。雨など降るもをかし。」 (意味:夏は、夜(がよい)。月が明るい頃(満月)はなおさらだ。 闇夜(新月)も、蛍が多く飛びかっている(その光景がよい)。また、ただ一匹二匹と、かすかに光りながら蛍が飛んでいくのも趣がある。 雨など降るのもよい。)
今も昔も蛍は趣があり、蒸し暑い夏を涼しげにしてくれる風物詩なのでしょう。
私が子供の頃は近くに田んぼが多く、その頃は整備されていなかったので、ホタルが飛んでいました。
近所の子供たちで集まって、夜に蛍狩りに出掛けていました。
ホタルは日没後2時間くらい経った頃から多く出現するらしいということで、祖母から「夜は蛇の目がホタルのように光るので、間違わないように」と注意を受け、夕飯を終えいつもなら寝る準備に入る頃に出掛けられるとあって、ドキドキとワクワクで出掛けたことを思い出します。
今では田畑も整備され、昔のようにホタルの姿を見る事は出来なくなってしまいました。
大人になって子供の頃を思い出し、ホタルの飛ぶ景色を見ようと時期になると兵庫県養父市や佐用町にホタルを見に出掛けていましたが、子供が出来た頃から夜に思うように出掛ける事が出来なくなり、行く事もなくなってしまいました。
また、あの幻想的な風景を見たいものです。
日本では蛍の生息数は年々減少しており、その原因としては生息環境の破壊や汚染、自然環境の放置、観賞のマナーの問題などがあげられます。
綺麗な水を好む蛍は汚水や排水の流入、工事等による土砂の流入、川砂利の採取、河川や用水路の改修などで子孫を残すことが出来なくなっています。
また、里山の放置による生態系の変化も大きな要因です。 観賞マナーでは、発光するタイプの蛍は徹底して光を嫌い、暗い場所を好みます。
車のヘッドライトが始終あたるようになるだけで、いなくなってしまうそうです。
懐中電灯やカメラのフラッシュも、蛍に悪影響を与える光害になります。 ひどい場合は捕獲して持ち帰る場合もあります。
このような事による環境の悪化などから蛍が生息できなくなってしまったと考えられます。
昔は「蛍狩り」や「螢籠」などといって、持ち帰って楽しむほど当たり前にいた蛍も、今や希少な存在。
現代の「蛍狩り」は、決して彼らの邪魔をしないよう、そっと眺める事が最重要です。
皆さまもマナーを守って美しい日本の夏の風物詩を見に出掛けてみませんか。
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2024.5.20
二十四節気 小満 5/20〜6/4頃
万物が次第に成長し天地に満ち始める頃。
太陽の光を浴び、万物がすくすく成長していく、 田畑の実が成り始め、花や虫なども躍動する時期。
田植えの準備をする時期にあたるため、稲荷神社で五穀豊穣、商売繁盛を祈願するお祭りも開かれています。
長野県の臼田小満祭が特に有名
七十二候
初候 5月20日(月)〜5月25日(土) 蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)
次候 5月26日(日)〜5月30日(木) 紅花栄(べにばなさかう)
末候 5月31日(金)〜6月4日(火) 麦秋至(むぎのときいたる)
初候 5月20日(月)〜5月25日(土) 蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)

蚕が卵から孵化し、桑の葉をたくさん食べ成長するころ。 蚕の繭はシルクの原料です。
養蚕業、製糸業は明治以降の日本が近代化を進める上で重要な基幹産業であり、
絹糸が人々の暮らしを支えていたため、「おかいこさま」と敬称をつけて呼ぶ地方もありました。
国宝/世界遺産に選ばれた群馬県の富岡製糸場は日本で初めて本格的に製糸機械が導入された工場です。
蚕は新鮮な桑の葉しか食べないため、1日のうちに何度も桑の葉を採る必要がありました。
蚕に食べさせる桑の葉を採ることは大変な作業で、「猫の手も借りたい」という言葉はここからきています。
私は小学生の頃、蚕を飼っていました。
なぜ飼い始めたかは忘れてしまいましたが、誰かから貰ったのではないかと思われます。
夏休みの自由研究でカイコの成長の記録をした記憶も???(何十年も昔の事で記憶違いかもしれませんが)
卵から孵った小さくて黒い赤ちゃん(蟻蚕(ぎさん))に毎日近所で採ってきた柔らかい桑の葉を食べさせ、
カイコは日に日に大きく白くなっていき、大きくなると大量の桑の葉を食べます。
数回脱皮をした後、黄色や白色の繭を作りサナギになって、羽化して蛾になって卵を産み蚕となる・・・
そんな繰り返しがとても楽しみでした。
近所には桑の木が数本点在していて、新しく柔らかい葉を求めて毎日あちらこちらへ
自転車で桑の葉取りに出掛けていました。
毎日大変でしたが、モリモリ食べて成長する姿を見るのはとても嬉しかったです。
何年も続けていましたが、だんだんと近所にあった桑の木がなくなり、
私も中学に進級して毎日桑の葉を探している時間がなくなり、
残念な思いでカイコたちにサヨナラした事を思い出します。
そんな事もあってか(意識していた訳ではないけれど)、卒業論文では『絹(シルク)』について論文を書きました。

皇室では歴代の皇后による「皇后御親蚕(こうごうごしんさん)」が行われています。
御親蚕とは古代中国で皇帝の后が蚕を飼って糸を繰る儀式。
皇室で正式に養蚕が始められたのは明治4年( 1871年)のこと。
現在でも行われており、皇后の公務として継承しています。
(近年は雅子皇后様だけでなく、天皇陛下と愛子様と一緒にお世話をされているようです。)
作られた生糸で織られた絹製品は、宮中儀式や祭祀に用いられるほか、外国元首への贈物(御贈進品)、
皇室の儀典用衣裳等にも用いられています。
【蚕に関する豆知識】
「蚕時雨(こしぐれ)」
蚕が桑の葉を食べる音のこと。静かに小雨が降っているような、サーッという心地よい音です。
この時期に旬を迎えるそらまめは、細長い豆の莢(さや)が蚕の姿に似ていることから「蚕豆」と書きます。
蚕の繭は1個で約1,500mもの長さの糸をとることができるそう。
絹はカイコが体内で作り出すたんぱく質、セリシンとフィブロインの二重構造で三角形に近い形をしている。
絹の布をこすりあわせると「キュッキュッ」と音がする。これを「絹鳴り」という。
繊維断面の形が三角形に近く、こすり合わせたとき繊維が引っかかりあうため。
他の繊維では凹凸がないため音はしない。
猫の手は役に立たないものの例えになっていますが、大切な蚕をねずみから守ってくれるため、
かつては居てくれるだけで十分役に立っていました。
そのため養蚕のために猫を貸し借りすることもあったようです。
蚕は一匹、二匹ではなく、牛や馬のように一頭、二頭と数える習わしがあります。
これは蚕が家畜昆虫として大切な存在として扱われてきた名残があるからです。
桑の実はマルベリーと呼ばれ栄養や効能が豊富に含まれているそうです。
真っ黒に熟した実は甘酸っぱくて美味しいです。
ジャムや果実酒にしても美味しいですよ。
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2024.5.2
二十四節気 立夏 5/5〜5/19頃
夏の兆しが感じられる頃。 花々が咲き乱れ、新緑が眩しい季節の到来を感じます。
五月晴れといわれるように、日本の四季の中でも特に気候が穏やかで、過ごしやすい時期。
立夏の頃に行われる行事に端午の節句があり、子どもたちの健やかな成長を願う日です。
七十二候 初候 5月5日(日)〜5月9日(木) 蛙始鳴(かわずはじめてなく)
次候 5月10日(金)〜5月14日(火) 蚯蚓出(みみずいづる)
末候 5月15日(水)〜5月19日(日) 竹笋生(たけのこしょうず)

ミミズは種類にもよりますが、ほとんどの場合寒くなると冬眠します。
この頃は気温が上がり冬眠から覚めたミミズが活動する頃です。
昔は農作業を行うのが当たり前でした。ミミズは畑を耕してくれて、栄養も与えてくれる大切な存在でしたので、
ミミズが地上に這い出す事は、土の豊かさを示します。
初夏の頃、ミミズが這い出てきたのをみて、豊作を願っていたのでしょう。

すると何故か雑草を抜くと雑草の近くからミミズが這い出てきます。
初めはたまたまだと思っていましたが、結構な頻度で出てくるものだから、
きっとミミズは雑草が好きに違いないと思っています。
子供の頃から実家では田んぼや畑で作物を作っていたので、ミミズは作物に栄養を与えてくれ、土壌改良に役立つ益虫として良いイメージを持っていましたが、芝生を育てるにあたって調ベていると、ミミズの糞は『糞塚』といい、芝生にあると美観を損ねるため、悪影響を及ぼす存在だと知りました。
そのため芝生ではミミズを不快害虫として駆除するそうです。
私はそれ程気にしていませんので、放置していますが、ミミズに悩まされている方へ駆除方法を調べてみましたのでご紹介します。
ミミズの駆除効果の高いタイミング
一般的に3月〜4月頃に駆除すると効果が高いです。
3月〜4月は卵から孵化したミミズがたくさんいるので、成長する前に駆除すると大幅に数を減らすことができます。
1、地表に出てきたミミズを駆除する
ミミズを地表で駆除するためには、まず地表に出てきてもらう必要があります。
ミミズが日中帯に地表に出てくることは少なく、目視での確認は難しいかもしれません。
強制的に地表に出てきてもらうために、次の2つの方法があります。
どちらも「サポニン」という成分を使用します。
1.椿油粕を散布して染み込ませる
2.サポニン粕を散布して染み込ませる
サポニンは水に溶けると、界面活性作用があるため、細胞膜を破壊する性質などがあります。
この作用によって、ミミズは粘膜を失うため、退避しようとして地表に現れます。
【注意】 サポニンは化粧品や食品にも使われる天然成分です。そのため人などには比較的易しい成分です。
土壌に浸透した後は数日で自然分解されます。
ただし、サポニンが溶けた溶液は魚などには毒となりますので、川や排水溝には流さないようにしてください。
2、殺虫剤を使って駆除する
殺虫剤を使うことのメリットはミミズの回収が不要となることです。
ミミズが地表に飛び出しにくいように設計された殺虫剤もあるようなので、
ミミズ自体が苦手な方は試してみるのも良いかもしれません。
ミミズを駆除する目的の殺虫剤の一例
製品名:フルスイングW、アストロ乳剤
【注意】 薬、農耕地用の除草剤を使用する場合には、必ず適用作物を確認しましょう。
ラベルに記載がない場合には使用不可です。
また、使用するときには濃度、使用量を必ず守りましょう。
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