2025.4.18
二十四節気 穀雨 4/20~5/4
穀物を育てる恵みのが降る時期。
田畑にとって恵みのが降る時期で、種まきをするのに最適な季節。
この時期に降るは「百穀春雨(ひゃっこくはるさめ)」とも呼ばれ、あらゆる穀物を潤し、を出させる恵みの雨といわれています。
終わりを告げ、次の季節へと移り変わる頃です。

七十二候 
 初候 4月20日(日)~4月24日(木) 葭始生(あしはじめてしょうず)
 次候 4月25日(金)~4月29日(火) 霜止出苗(しもやみてなえいづる)
 末候 4月30日(水)~5月4日(日) 牡丹華(ぼたんはなさく)

初候 4月20日(日)~4月24日(木) 葭始生(あしはじめてしょうず)
」は「」と同じで、イネ科の植物で水辺に生えます。
が芽を吹き始めるという意味です。

」は「アシ」と読みますが「ヨシ」とも読みます。
本来の呼び名はアシでしたが、「悪し」に通じるため、「ヨシ」と言い換えられました。
関西地方では、お金を意味する「お足」に通じるため、芦屋市など「アシ」の名前が残されています。

は大型の多年草で、日本全国に分布しており、河川、湖沼などの水辺に背の高い大群落(ヨシ原)をつくります。
地下茎で伸び、節からひげ根を出して成長し、条件がよければ一年に約5メートル伸びることもあります。
稈(かん)とよばれる茎は高さ1~3 mになり、地上茎は中空で真っ直ぐです。
ヨシは風が吹いて地面に倒されても、茎が柔軟なため折れることがなく、やがて起き上がって上に向かって生長します。
ヨシ原は、自然浄化作用を持ち、多くの生物のよりどころとなっているため、その価値が再評価されてきており、ヨシ原復元の事業が行われている地域もあります。

は古くから様々な形で利用され、親しまれてきました。
葦の茎で作ったすだれは葦簀(よしず)と呼ばれ昔から日よけとして利用されています。
また、屋根材としても最適で茅葺民家の葺き替えに現在でも使われています。
茅葺きススキに比べて耐久性があるため、ススキでは15~20年程度で屋根全体を吹き替える事が多いですが、では「刺し茅」という技法で補修するため、屋根全体の葺き替えは殆ど行わないで40年以上もつとされています。
ただし、ススキに比べて材料費も高く、屋根を葺く技術も高いものが必要になります。

を葺いて作られた屋根は通気性断熱性吸音性保温性に優れているため日本だけでなく世界各地で見られます。
日本で現存最古の茅葺屋根民家は兵庫県神戸市にある箱木家住宅(国の重要文化財)で、室町時代前半に建てられたものです。
この辺りでは「箱木千年家(はこぎせんねんや)」と呼ばれており、ダム建設に伴い数十メートル移築されましたが、今でも美しい姿を保っています。

ユネスコ世界文化遺産で有名な白川郷の民家は「合掌造り」という勾配の急な茅葺きの屋根が特徴です。
茅葺き三角屋根が特徴的な日本独自の伝統建築である合掌造りが建ち並ぶ景色は、日本人のみならず多くの外国人を魅了しています。


私が子供の頃は茅葺き屋根古家がありました。
私の父の生家になります。
私の記憶では、屋根からの雨漏りで室内も荒れ果ててしまっていて住むことは出来ませんでしたが、 納屋(倉庫)やおくどさん(竃)、土間などは使用していたので、思い出深いものです。
茅葺き屋根の家は数年ごとに屋根の修理が必要で、費用がとてもかかります。
材料であるススキなどのがなくなってきたうえ、修理をする茅葺き職人も居なくなって、維持する事ができなくなったため修理を諦め、新しく家を建てたと聞いています。
昔の家だったので、柱や梁もしっかりと太く、大きく、囲炉裏などもありとても趣がありました。
もし、があり、茅を葺く技術があれば修理が出来たかもしれません。
雨漏りから腐った屋根材が落ちてくると危ないという理由で茅葺きの家を取り壊しましたが、今思うととても残念に思います。

一時はほとんど失われてしまったヨシ原は現在では少し回復傾向にあり、集めは以前よりは苦労が減ってきたそうです。
茅葺きの職人を育成する会社なども出現しているため、職人の減少に歯止めがかかっているようです。
今の時代がもう少し早く来ていたら、我が家の茅葺きの家も存在していたかもと悔やまれます。
は昔から重宝されてきた植物であり、これを使用して作られたものは現在の世の中でも役立っています。
昔からの良きものを大切に継承していける世の中であって欲しいと願います。

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2025.4.4
二十四節気 清明 4/4~4/19
清明は「清浄明潔(しょうじょうめいけつ)」の略語で、春のうららかな日差しを受け全ての物が明るく生き生きとして清らかであること。
澄み渡り咲き爽やか清明風)が吹き、木々生命力にあふれ、生き物は元気よく動き回る頃。
入園・入学・入社など新しい門出の時期。桜が美しく咲きお花見のシーズンでもあります。

七十二候 
 初候 4月4日(金)~4月8日(火) 玄鳥至(つばめきたる)
 次候 4月9日(水)~4月14日(月) 鴻雁北(こうがんかえる)
 末候 4月15日(火)~4月19日(土) 虹始見(にじはじめてあらわる)

次候 4月9日(水)~4月14日(月) 鴻雁北(こうがんかえる)
日本で冬を越したが北方へ帰る頃。
鴻雁とは、渡り鳥の「がん」のことですが、「」は「ひしくい」と読み大型のがんを、「」は小型のがんを指しています。
は、秋にシベリアなどの寒地から日本に渡ってきて越冬し、春また北方へ帰ります。
10月上旬には「鴻雁来 (こうがんきたる)」という季節があり、その反対が 春の「鴻雁北(こうがんかえる)」です。
に日本へやってが、に日本からシベリアへっていく時期をさします。
ガン)は「かり」とも読みます。
「カモ目カモ科」というグループに属し、水鳥のうちカモより大きくハクチョウより小さい一群の総称。
日本では保護鳥の対象で、禁猟となっています。
冬を越すためにやって来る雁の群れがV字型の編隊を組んで飛ぶ(雁行)のは、一羽で飛ぶ時よりも7割も遠くまで飛べるからだそうです。
前のが羽ばたくと、後続 ののために、上昇気流を作り出すことができるので、後続のは楽に飛ぶことができます。
後ろのは、 ガーガー鳴いて前のを励まします。
先頭のは疲れると最後尾に回って、別のと交代します。
V字型の編隊から脱落しそうになっても、一羽で飛ぶと抵抗が大きいので、すぐに編隊に戻ってきます。
群れの一羽が病気や怪我で脱落すると、二羽のが助けるために、付き添って地上に降りてきます。
この二羽は、脱落したが回復するか、死ぬまで一緒にいて、その後の新しい群れに加わるか、独自の編隊を作って元のグループに追いついていくのです。
仲間同士、助け合って飛ぶことによって大きな力を作り出し、一羽では考えられないくらい遠くまで飛んでいくことができるのです。


というと私が一番に思い出すのは、小学校の国語の授業で習った『大造じいさんとガン』と言うお話です。
は頭の良い鳥で、猟師の大造じいさんとガンの頭領「残雪(ざんせつ)」との知恵比べのお話です。
お話の中でガンの頭領である残雪が、ハヤブサに襲われた囮のガンを自らを犠牲にして立ち向かい助けるという場面がありました。
鳥であるが人間と同じように仲間を助けるという気持ちを持っている事に驚き、感動したことを覚えています。

の群れは互いに励まし合って遠い道のりを渡ります。
昨今の人間社会は個人を重んじる傾向が強く、人と人との繋がりも昔に比べて薄くなっているように思われます。
それも平和な時には良いのかもしれませんが、何か問題がある時にはお互いに協力し合い助け合える世の中でなければ、問題を乗り越えられないのかもしれません。
一人では出来ない事もみんなで協力すれば成し遂げられる。
人間もに見習い、何事にも協力し、支え合える世の中になって欲しいですね。

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2025.3.19
二十四節気 春分 3/20~4/3
冬の気配が少しずつ緩み、いよいよ春の訪れ本格化していく頃。
晴れの日にはポカポカ陽気お出掛け日和になることもあります。
動植物たちもいっそう活発に動き出し、虫たち鳴き声が聞かれ、硬かった植物たち蕾が開き春一色に染まります。
今年の春分の日3月20日で、太陽が真東から昇り真西に沈む日で、昼と夜の長さがほぼ同じになる日です。

七十二候 
 初候 3月20日(木)~3月24日(月) 雀始巣(すずめはじめてすくう)
 次候 3月25日(火)~3月29日(土) 桜始開(さくらはじめてひらく)
 末候 3月30日(日)~4月3日(木) 雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)

初候 3月20日(木)~3月24日(月) 雀始巣(すずめはじめてすくう)
スズメが巣作りを始める頃。
スズメが繁殖期を迎えるため3月頃から巣作りを始めます。
スズメは日本では北海道から沖縄までどの地域でも見られます。


日本のスズメについて調べてみました。
形態   
全長は約14-15cm、体重は約18-27g。雌雄同色で成鳥は頭部が赤茶色、背中は褐色で縦に黒斑があり、翼に2本の細い白帯がある。頬から後頸、腹にかけては白色をしている。耳羽および目先から喉は黒い。成鳥のくちばしの色は黒色、頬には大きな黒い斑がある。(幼鳥のくちばしは淡黄色で体全体に色が淡く、頬の黒斑や喉の黒斑がはっきりしない。)くちばしは短くて太い円錐形、嘴峰長は0.9-1.2 cm、足は淡褐色で、跗蹠長は1.65-1.8 cm。

食性   
食性は雑食性で、イネ科を中心とした植物の種子や虫を食べる。繁殖期には子育てのために虫を好んで捕獲し、夏から秋にかけては稲を食べるため食害も起こす。繁殖 繁殖は3-8月頃にかけて行われる。1年に2回程度繁殖すると考えられている。集団で繁殖する習性がある。 毎日1個の卵を産み、1つの巣に産む卵の数は4-8個。雌雄が抱卵し10-12日で孵化する(抱卵日数は10-14日)。ヒナは晩成性で14-18日で巣立つ。

営巣場所 
巣の材料としてイネ科の植物などの繊維状のものを用い、天敵などから身を守る効果がある人間の生活の近く(瓦の下や雨樋と屋根の隙間などの屋根の軒の隙間や、換気扇カバーの中や煙突、プレハブの鉄骨の隙間や穴など)に巣を作る。夏から秋にかけて、街路樹などに数十から数百羽が集まってねぐらを形成する。


日本におけるスズメの個体数は減少傾向にあると言われていて、50年前の10分の1とも推定されています。
減少原因については機械導入による農村部での冬季の餌不足や都市での都市化に伴う餌不足も、減少原因の候補として挙げられています。

スズメ春先は苗の害虫を食べる益鳥として扱われ、には稲の籾米(もみごめ)を食害する害鳥となります。
鳥獣保護法狩猟鳥に指定されていて、焼き鳥等に食用もされてきました。
特に京都の伏見稲荷大社では門前の名物になっていますが、鶏の焼き鳥と違って姿のままのスズメ焼き鳥は何とも言えず、私は食べるのは遠慮しました。
しかし、小学生の頃に友人の祖父母の家にお邪魔させてもらったことがあり、そこで頂いたのがスズメの丸焼きでした。
その姿に衝撃を受けましたが、思い切って食べたところ、柔らかいお肉ではなかったけれど、 意外にも美味しかったことを記憶しています。
ただ、食べるお肉はあまりありませんでした。

昔から俳句民話童謡などにもスズメは登場していて、身近に感じる事ができます。
いつも近くにいるので、私たちの暮らしの中でとても近い存在といえます。
身近な存在から季節を感じ取ったり、時期の物を取り入れて過ごす事は、普段の生活に彩りを与えてくれると思います。
これからも、可愛いスズメたちと共存し、季節を感じ取って生活していける事を願います。

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2025.3.5
二十四節気 啓蟄 3/5~3/19
啓蟄とは「啓」は開く、「蟄」は土の中で冬ごもりしている虫という意味があり、戸をひらいて顔を出すかのように、冬ごもりをしていた生きもの姿を表す頃を表しています。
辺りにの陽気が漂い、を感じた生きものたちが動き出す季節です。
この頃に鳴るの到来を告げる雷を「虫だしの雷(むしだしのかみなり)」といいます。
雷に驚いた虫たちが出てくることから、冬眠中の虫たちを目覚めさせる雷という意味があります。
が少しづつ近づいてきています。

七十二候 
 初候 3月5日(水)~3月9日(日) 蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)
 次候 3月10日(月)~3月14日(金) 桃始笑(ももはじめてさく)
 末候 3月15日(土)~3月19日(水) 菜虫化蝶(なむしちょうとなる)


次候 3月10日(月)~3月14日(金) 桃始笑(ももはじめてさく)
桃の花が咲き始める頃。
昔は花が咲く事を「笑う」と表現していました。
の季語に「山笑う」というものがあり、が訪れて緑や春の花たち彩られた山のことを表しています。
厳しい寒さが残る時期に咲く『』、の訪れを知らせるように咲く『』、たけなわに咲く『』、季節の移ろいを花のリレーで感じさせてくれます。
が咲き進んでくると気分もワクワクしてきますね。
は古来中国で神聖で美しいものとされ、不老長寿の象徴とされています。
中国ではお祝いの席で桃の実の形を模した「桃饅頭」を食べる風習があります。
また、邪気を払う神聖な木ともいわれ、雛人形と共に飾る事により女の子にかかる災いを払いのけ 健やかな成長を願いました。

♪明かりをつけましょぼんぼりに お花をあげましょ桃の花♪
で知られているように、桃の花桃の節句に欠かす事ができません。
昔はが咲いていた時期だったため、桃の節句といわれるようになりました。

雛人形の飾り方
飾る場所
床の間がある部屋では上座の南向きが良いとされていますが、特に決まりはありません。家族が集うリビングや居間などに飾るのが適しています。
飾りの種類
7段飾りは平安時代の貴族の婚礼儀式を表しています。縁起が良い奇数段がおすすめ。 現在では1段、3段、5段などのコンパクトなものも多くあります。
飾る時期
決まった時期はありません。大安・友引の日を選ぶのが望ましいとされていたり、 二十四節気の「雨水」に        飾りはじめると良縁に恵まれるという言い伝えもあります。前日に飾ることは「一夜飾り」と呼ばれて縁起がよくありません。遅くとも1週間前には飾るのが良い。
片付けの時期
3月3日を過ぎると婚期が遅くなると言い伝えがあります。根拠は不明。お祝いが過ぎたら出来るだけ早く片付けましょう。啓蟄の日辺りのお天気の良い日がおすすめ。
    

皆さまのご家庭ではお雛飾りを飾りましたか。
女の子のお子さんがいないご家庭でも、桃の花を飾ったり、小さな置物や折り紙や木目込み人形など自分で作った作品を飾ってみるのも、を感じる事ができて良いと思います。
日常に季節の行事を取り入れて、これから来る“”の季節を感じながら過ごしてみてはいかかでしょうか。

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2025.2.18
二十四節気 雨水 2/18~3/4

空から降るものが雪から雨に変わり、雪が溶け始めるころ。
厳しい冬が終わりへと少しずつ変化し始め、春の足音が一歩一歩、近づいてきます。
お雛飾り雨水に飾り始めると良縁に恵まれると言われています。

七十二候 
 初候 2月18日(火)~2月22日(土) 土脉潤起(つちのしょううるおいおこる)
 次候 2月23日(日)~2月27日(木) 霞始靆(かすみはじめてたなびく)
 末候 2月28日(金)~3月4日(火) 草木萌動(そうもくめばえいずる)


次候 2月23日(日)~2月27日(木) 霞始靆(かすみはじめてたなびく)
春霞がたなびき、山野の情景に趣が加わる頃。
は大気中に細かな水滴や塵が増え、遠くの景色がぼんやりとかすんで見えるさまをいい、そのが層となって漂っている様子を霞たなびくといいます。
山や自然の風景の中で霞がたなびいていると幻想的な風景に見えます。

春を司る女神といえば、佐保姫(さほひめ)。
佐保姫」は、の衣を織り、柳の糸を染め、を咲かせる女神と言われています。山のすそ野に薄らと広がる春霞の事を「佐保姫 (さほひめ)」がまとう女神の衣の裾春の山女神のまとう衣、山にかかる三日月女神の簪(かんざし)に例えられます。

後鳥羽院御集の和歌
『佐保姫の霞の衣ぬきをうすみ花の錦をたちやかさねむ』
意味は「佐保姫が着る霞の衣は緯糸(ぬきいと)が薄いので、春の花の錦を裁ち重ねて着ているのだろう。」
春の霞が薄くたなびき、花が一面に咲いている様子を佐保姫の着物として表現しています。

芭蕉の代表的な句
『春なれや名もなき山の薄霞(うすがすみ)』
意味は「もう春なのだなあ。こんな名もない平凡な山々にもうっすらと霞がたなびいている。」
どこの山にも春の女神(佐保姫)は宿っていて、分け隔てなく春が現れているということを読んでいます。

春の霞はとても風情のある言葉として捉えられていますが、実は春霞は花粉や黄砂が原因で起こる現象でもあります。
に似た現象にがあります。は秋に起こります。
」と「」の違いは、は大気中の水蒸気が微小な水滴になり浮遊し、視界が1km未満のなる状態。
は空気中に浮かんでいる様々な細かい粒子のため、遠くがはっきり見えない現象。
」は、昼間に出る現象に限定され、夜間の場合は「(おぼろ)」と言います。
朧月夜』という言葉は、とても風情を感じますね。
秋のは大気中の浮遊物が少ないのに比べ、春のは黄砂や花粉といった浮遊物によって視界が見えにくくなっているということです。
春の季節の美しい現象が実は現代社会の健康被害を起こす現象だったとは、残念な気持ちになりますね。

しかし、春はなぜか気分がウキウキするものです。
花粉症アレルギーなどの対策を早めにとって春を楽しみたいと思います。

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2025.2.3
二十四節気 立春 2/3~2/17

2025年の立春は2月3日月曜日です。
立春」(りっしゅん)春の始まりであり、1年の始まりの日
旧暦ではこの日が1年の始めで、季節の節目はこの日を基準に数えます。
実際には寒さがまだ続く時期ですが、立春を境に日が長くなり始め、少しずつ春の気配が感じられるようになります。
立春の前日は節分です。皆様は豆まきをしたり、恵方巻をお召し上がりになりましたか?

七十二候 
 初候 2月3日(月)~2月7日(金) 東風解凍(はるかぜこおりをとく)
 次候 2月8日(土)~2月12日(水) 黄鶯睍睆(うぐいすなく)
 末候 2月13日(木)~2月17日(月) 魚上氷(うおこおりをいずる)

次候 2月8日(土)~2月12日(水) 黄鶯睍睆(うぐいすなく)
昔は「こうおう けんかんす」と読まれていました。
(うぐいす)が山里で鳴き始める頃という意味です。
は鳴き始める季節が早春で、春の訪れを真っ先に告げる鳥であることから、春告鳥(ハルツゲドリ)という別名があります。

鳴き声は「ホーホケキョ」と美しい声で鳴く事が知られていますね。
は日本三鳴鳥の一つです。
日本三鳴鳥(にほんさんめいちょう)・・日本に生息するさえずりが美しいスズメ目の3つの種(ウグイスオオルリコマドリ)のこと。
鳴き声は3種類あり、まず早春の「ケキョ」から始まり、春が進むと「ホーホケキョ」と鳴きます。
2つ目は、「ホーホケキョ」に続いて、「ケキョケキョケキョ……」と細かく鳴きます。
この鳴き声はが谷から谷へ、枝から枝へ鳴きながら渡っていく情景をいい、の「谷渡り」と呼ばれています。
3つ目は「チャッチャッ」と相互に静かに鳴きあっています。
鳴き声にはそれぞれの意味があり、メスへのアピールや仲間に知らせる合図だそうです。


皆さんは花札をご存じですか? 花札2月の札に「梅に鶯」があります。
梅に鶯」は、春を代表するの「絵になるような取り合わせ」を形容する言葉で、この言葉にちなんで、札には「」と「」がペアで描かれています。
春に先駆けて花を咲かせる「」には「春告草(はるつげぐさ)」の異名があり、「」も「春告鳥(はるつげどり)」と呼ばれているため、『春の訪れ』を感じさせる両者を形容する言葉が「梅に鶯」なのです。

花札に書かれたは緑色と黄色ですが、実際の薄い灰褐色です。
花札ではこちらの色からこの鳥は「うぐいす」ではなく、「めじろ」だという説もある様です。
ウグイス色といえば茶色が混ざった緑色やオリーブ色を思い浮かべることが多いので、花札はこの色になっているのでしょうか。
色々な説があるようなので、本当の理由はわかりません。
しかし、縁起のいい鳥だということは間違いありません。

我が家の近くでもがいるようで、春になるとよく鳴き声を耳にしますが、姿を見たことはありませんでした。
しかし、先日庭の手入れをしていた時に、何処からか小さな鳥がやってきて、庭の木や置いてある棚などに移動を繰り返しており、見かけない鳥だなとよく見てみると、のようでした。
まだ、声は聞こえていませんが、こんな時期に初めて姿を見られるなんて、とても縁起が良いのでは? と、嬉しい気持ちになりました。
鶯の声が聞こえるようになるのが、待ち遠しいですね。

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2025.1.20

二十四節気 大寒 1/20~2/2

一年で最も冷え込む時期です。
昔から、この時期には冬の伝統行事が行われたり、その時期に合った食べ物を食べたりといった習慣があります。
寒さが厳しく空気が乾燥するので、風邪インフルエンザが猛威を振るう時期。
厳しい冬を乗り越えるために、体を鍛えたり、免疫力がアップする栄養のあるものを食べて過ごすと良いでしょう。

七十二候 
 初候 1月20日(月)~1月24日(金) 款冬華(ふきのはなさく)
 次候 1月25日(土)~1月29日(水) 水沢腹堅(さわみずこおりつめる)
 末候 1月30日(木)~2月2日(日) 鶏始乳(にわとりはじめてとやにつく)

次候 1月25日(土)~1月29日(水) 水沢腹堅(さわみずこおりつめる)
厳冬期となる大寒の水も凍りが張り詰める頃。
この時期は一年でも冷え込みが厳しい時期となります。
この時期は寒さが極まり池や湖沼などの動かない水はもとより、ゆるやかに流れる堰の水まで凍りつく頃です。
強い寒気が日本列島に流れ込みやすい時期。
朝晩に氷点下に達する地域も多くなります。
この頃になると流れ落ちる凍りつく氷瀑」が見られます。
北海道の層雲峡、青森県の奥入瀬渓流、茨城県の袋田の滝などが全国的には有名です。
には、様々な呼び方があり、地上にできたとしては、「」や「氷柱(つらら)」が一般的ですが、樹木に付いた場合は「霧氷」や「樹氷」と呼ばれています。
沢の水など河川の水は凍ると「河氷」、湖の水は凍ると「湖氷」、海の水は凍ると「海氷」と呼ばれ、北海道のオホーツク海沿岸でこの時季から観測され始める「流氷」は「海氷」の一種です。

私は体力に自信がないのと、寒さが苦手なので、雪山登山は絶対に無理ですが、冬はスキーに行くことがあるので、スキー場で樹氷を見る事があります。
兵庫県のスキー場ではあまり見る事はありませんが、信州方面に出掛けると違う景色に出会えます。
樹氷針葉樹に付着した自然現象で、冬の絶景の一つです。
樹氷は寒さが厳しい真冬の時期にだけ見られる現象です。
強い風や湿度などさまざまな条件が重なって神秘的な情景が完成します。
晴れた日のキリリと寒い空気の中で見る樹氷の景色は本当に美しく、自然の不思議と偉大さに感動します。
しかし、吹雪いている中でするスキーは最悪の気分です。
体力のあるうちに「氷瀑」や「流氷」「スノーモンスター」なども是非見てみたいと思っています。
寒いからと家に籠ってばかりではなく、その時しか見られない感動の景色に出会いに行かなければなりませんね。

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2025.1.6

二十四節気 小寒 1/5~1/19

小寒は「しょうかん」と読みます。寒さ厳しくなる頃で、これから本格的な寒さを迎える時期。
小寒の初日を「寒の入り(かんのいり)」といいます。
この日から「寒明け(節分)」までの約30日間を「寒の内(うち)」といい、一年で最も寒い時期になります。
小寒には、寒い冬を乗り切るための行事風習があり、神事、または地方の伝統行事として行われる寒中水泳武道芸事の技術向上と共に精神を鍛える寒稽古などは、よく知られる冬の風物詩でもあります。

七十二候 
 初候 1月5日(日)~1月9日(木) 芹乃栄(せりすなわちさかう)
 次候 1月10日(金)~1月14日(火) 水泉動(しみずあたたかをふくむ)
 末候 1月15日(水)~1月19日(日) 雉始雊(きじはじめてなく)

初候 1月5日(日)~1月9日(木) 芹乃栄(せりすなわちさかう)
せりが勢いよく生える時期という意味です。
は日本原産の多年草で、日本全国各地の水田の畔道、沢や河川の水ぎわなどに群れて繁殖しています。

の独特の強い香りには、胃を丈夫にし、食欲増進、解熱などの効果があるそうです。
ご存じの通り、は春の七草がゆの一つですね。1月7日に一年の健康を願って七草がゆを食べます。
年末年始にご馳走を食べて弱った胃を助けてくれるということで、七草粥が食べられます。
はそういった意味で、七草粥にピッタリな植物です。
皆さんはを食べたことがありますか? この七草粥がゆで食べたことがある方も多いと思います。
私の地域ではスーパーで七草粥セットとして売られているものは、ひょろりとしたものが少しだけセットされている事が多いです。
はお鍋の食材として多く食べられます。
全国各地で繁殖している割に、この地域ではお鍋の食材でそれ程ポピュラーではありません。
産地では根っこが好まれて食されていますが、余り根っこの付いた芹が売られているのを見たことがありません。
の根っこは鮮度が落ちると色が変わってしまうため、ほとんどが産地での流通になるためだと思います。

の名前の由来は、若葉の成長が競り合うように背丈を伸ばし群生して見えることから、「競り(セリ)」とよばれるようになったと言われています。
の主な産地は、宮城県茨城県です。この2県で全国の6割を占めています。

の産地ではどんな料理で食べているかを調べてみました。

宮城県名取市名取の芹仙台せり」)
宮城県の生産量は全国でもトップクラスを誇り、その約8割が名取市で生産されています。
名取市の芹栽培の歴史は古く、元和(げんな)年間(1620年)に野生のの栽培をしていたとされています。
ほぼ通年で栽培され、9月~3月出荷の「根せり」と4月~6月出荷の「葉せり」に分けられます。
郷土料理のせり鍋根っこの部分まで丸ごと食べる事ができ、名物として親しまれています。
名取のせりの特徴は茎と根っこの太さで、葉・茎・根っこでそれぞれの食感が楽しめ、シャキシャキとした歯触り、豊かな風味、根っこの旨味があります。
食感を楽しむために火を通し過ぎず、香りの強いものとの組み合わせは避けるのが美味しく食べるコツ。

茨城県行方(なめがた)市行方のせり
霞ケ浦と北浦に挟まれた行方市が、湖の水と豊富に湧き出る地下水を生かしたの産地。
水稲(すいとう、水田で栽培)やレンコンの後に栽培する水田の二毛作栽培が主です。
セリ田」という田んぼで栽培されるものが圧倒的に多く、現在は完全水耕栽培のも市場に出回っています。
旬の時期は2月から4月の春で、行方市では豊富な地下水のおかげで10月中旬から翌年の4月下旬まで出荷されています。
行方の芹は針が強く色合いや香りが良いため、天婦羅胡麻和え卵とじサラダなどに最適です。
芹ご飯もおススメだそうです。

秋田県湯沢市湯沢の芹三関(みつせき)せり」)
秋田県湯沢市で生産されている「三関せり」は、約300年の歴史がある伝統野菜。
清浄な伏流水で育った美しい根っこ三関せりの特徴で、天ぷらで食べると絶品。
秋田名物「きりたんぽ」に欠かせない食材として地域で親しまれてきました。
根っこはシャキシャキとしていて、独特の香りが食欲をそそる。
根っこは時間がたつと色がついてきてしまうため、ほとんどが県内の流通となっているそう。

シャキシャキした食感と、独特の香りが魅力の芹料理。食べたことのない料理はありましたか。
どうですか、みなさんものお料理を食べたくなったのでは?
旬の食材をいただくことは健康にもよく、季節を感じられるとっておきの贅沢ではないでしょうか。

新しい年になり、自分の知らない事への挑戦をしてみたくなりました。

ショップではGROUPー暦彩で季節のオススメ商品をご案内しています。 ぜひご覧ください。

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