2025.6.6
バラ色………
皆様はどんな色を思い浮かべますか?
6月の誕生石は真珠(Pearl)です。
真珠は古来より「月のしずく」「人魚の涙」と呼ばれ宝石として珍重されました。
生物起源ですので天然物しかなく高価でしたが、現在は養殖技術が確立され身近になりました。
真珠は貝の体内で生成される宝石。
貝殻成分を分泌する外套膜が貝の体内に入り込むことで天然真珠が生成されます。
真珠特有のテリと呼ばれる光沢は光の干渉作用によるもの。
真珠の価値はこのテリと巻き厚、大きさ、キズの有無などによります。またカラーも母貝によって違います。
日本では主にアコヤガイ(あこや真珠)が養殖に用いられます。
他にも淡水真珠(イケチョウガイ、カラスガイ)、南洋真珠(シロチョウガイ)、黒蝶真珠(クロチョウガイ)、マベ真珠(マベガイ)など、母貝によって呼び分けられます。
また、形は真円のものが価値があるとされますが、バロックパール、ケシパール(人工核のないケシ粒のように小粒のもの)などそれぞれに趣があります。マベパールは半球形(ドーム状)です。
近年は日本の真珠が世界中でブームになっており、養殖環境の変化による減産もあって昔より高価になってきています。
真珠には様々な色が存在しますが白いバラを紹介します。
”パールイヤリング(Pearl Earring)”は香り高い白の大輪花。柑橘の香りを含む甘い香りがします。
きりっとした高芯咲から花弁が開いてくると中心のクリーム色がのぞきます。
花弁は波状でカップ咲きのようになるため可愛らしい雰囲気に変化します。
株は大きくなりすぎないので鉢バラとしても楽しめます。
上品さと親しみやすさから、パールのイヤリングをイメージして命名されました。
パールイヤリング(Pearl Earring):オランダ・インタープランツ社
2023年リヨンHT部門耐病性・連続開花賞受賞
6月の作業
・四季咲きのバラは二番花、三番花を咲かせるために花が終わりに近づいたら咲きがらを切りを。一番花の伸びた枝の中頃の、しっかりした五枚葉の上で切る。
・肥料(フラワーメーカー)を与えて体力回復を。地植えで50g、6号鉢なら小さじ1杯程度が目安。
梅雨時期は黒星病に注意。他の病害虫も多くなるので薬剤散布を行う。
・株の周りの土が固まると空気や水の通りが悪くなるので株の周りを軽く(3〜5cm)耕す。
・シュートの処理:株の根元近くから瑞々しく太い芽が出て伸びてくる枝(シュート)は蕾が出る前にその芽の先端をつまみ取ると、良い枝になる。特に植付け年数の少ない株では効果的。
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2025.5.8
バラ色………
皆様はどんな色を思い浮かべますか?
5月の誕生石はエメラルド(Emerald)です。
古くから愛された宝石で、紀元前4000年にはバビロニアの人々が売買をしていたと証明されています。
エメラルドは女王クレオパトラが愛した宝石として有名。世界最古の鉱山は紀元前2000年のクレオパトラ・エメラルド鉱山です。
他のベリル属とは違ってインクルージョン(内包物)や小さなひびがあることが多いのですが、それは個性の一部と見なされ、「天国の庭(ジャルダン)が見える石」と呼ばれています。
四角いエメラルドカットはカッティングの際に受ける圧力から宝石を守るためのもの。
インクルージョンやひびによって割れやすいためです。
透明な石はファセットカットを施されてジュエリーに使用され、不透明な石はカボションカットやビーズ加工をされます。
スター効果やキャッツアイ効果のあるもの、トラピッチェエメラルドはカボションカットになります。
エメラルドの価値は色の濃さだそうです。
お買い求めになる場合は参考に。(石言葉:幸福、誠実)
グリーンのバラと言えば思い出すのは”ビリディフローラ”。
”ビリディフローラ”は庚申バラの一種でチャイナローズに分類されます。
萼が集まったかのような完全「緑」の花で、華やかさはありませんが、四季咲き性で春から初冬まで開花します。
花付き、花持ち良く、差し色として活躍します。別名”グリーンローズ”。
”エメラルドアイル”はアプリコットオレンジの花。咲き進むとペールピンクに退色、最後はグリーンに。
棘がほぼ無くしなやかな枝が特長のクライミングローズ。
「エメラルドアイル」とは緑の島の意、アイルランドの愛称で、バラを作出したディクソン社があります。
5月の主な作業
・バラの花の最盛期。水切れを起さないように管理。土の表面が乾いたらたっぷりと、鉢植えは鉢底から水が流れ出るまで。
・咲きがら切り(一期咲きの実を付けるタイプを除く)。二番花を咲かせるために花が終わりに近づいたら切る。
・アブラムシとうどんこ病に注意。発生した場合は薬剤散布を。
・4月に引き続き新苗の植え付け適期。
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2025.4.7
バラ色………
皆様はどんな色を思い浮かべますか?
4月の誕生石はダイヤモンド(diamond)です。
ダイヤモンドはモース硬度10、鉱物の中で一番硬い宝石です。
”征服されざるもの”を意味するギリシャ語の「adamas(アダマス)」に由来します。
黄色みを帯びたものや褐色のものより無色透明なものが価値がありますが、ピンクやブルー、レッド、グリーンダイヤなどは希少価値があり高価です。
ジュエリーには主に無色透明なものが使われ、ダイヤモンドの価値4Cは、カラー(Color:色)、クラリティ(Claritr:透明度)、カット(Cut:形成・研磨)、カラット(Carat:重さ)で表されます。
最近、4月の誕生石にモルガナイト(Morganite)が加わりました。
カラーはサーモンピンクやアプリコットピンク、ラベンダーピンクなど可憐な薄いピンクです。
この石もアクアマリンやエメラルドと同じベリル属で、主な産地はブラジル、マダガスカル、アメリカなど。
モルガナイトの宝石言葉は、愛情、優美、優しさなど、その淡いピンク色から連想された言葉が多く、愛のパワーを持つ石とされます。
ナエマ(Nahema)はフランス、デルバール社のバラで、淡いピンクが美しいディープカップ咲きの花。
ゲランの香水に由来する名の通り香りもよく、ローズとフルーツ香が甘く爽やかです。
クライミングローズに分類され、半つる性なのでオベリスクやトレリス、フェンス等で楽しめますが、コンパクトに育てることもできます。
花付きよく耐暑、耐寒性に強い、初心者にもおすすめのバラです。
4月の主な作業
・新苗の植え付け適期:新苗とは切り接ぎや芽接ぎで生産され春まで育成した一年目の新しい苗。畑で秋まで育てる大苗より安価。
選び方/下のほうから葉が付いているもの、葉に病気のないもの、同じ品種の中でできるだけ太くがっちり育っているもの
育て方/苗はすぐに植え替えをする、なるべく花を付けずに夏の終わりごろまでピンチを繰り返す、病害虫に気を付ける
・アブラムシとうどんこ病に注意。発生した場合は薬剤散布を。
・芽が伸びる時期なので水切れに注意。土の表面が乾いたらたっぷりと、午前8〜10時頃に。
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2025.3.5
バラ色………
皆様はどんな色を思い浮かべますか?
3月の誕生石はアクアマリン(Aquamarine)です。
アクアマリンはエメラルドと同じ鉱物ベリル(緑柱石)の海水青色の宝石で、名前はラテン語で「Aqua」水、「Marinus」海に由来します。
アメシストと同じくパワーストーンとしても馴染み深い石です。
古来、ヨーロッパの船乗りたちから航海や豊漁のお守りとされてきました。
他にも珊瑚やアイオライト、ブラッドストーンなどが3月の誕生石です。
サンゴは生物です。宝石珊瑚はサンゴ礁のサンゴとは違う深海に生息する硬質の珊瑚で、白、ピンク、赤などの色があります。
最良のものは血赤サンゴと呼ばれ、濃い赤色です。生産地は高知県沖、小笠原諸島、沖縄沖、地中海など。
アクアマリンは青い宝石(3月は青い宝石が多い)ですので、サンゴ(Coral)からバラを紹介します。
珊瑚は赤、というイメージが強いのですが、しっくりくる花が思いつかなかったのでコーラルピンクのバラを。
ピンクの薔薇は淡い色から濃い色まで数多あります。コーラルピンクもよく使われる表現です。
ピンクに少しオレンジ味が入った感じでしょうか、明るくはっきりしたピンクらしい色です。
”Magali”(マガリ)はフランス・メイアン社のバラで中輪・半剣弁高芯咲きのフロリバンダです。
上品で美しく、花付き・花持ちよく、丈夫で香りのよい満点のバラ。
花数が多いので花壇を豊かに彩ります。
*『マガリ』は女性の名(フランス語、ギリシャ語、ヘブライ語)で真珠を意味する
3月の主な作業
・芽吹きの悪い先端の芽は勢いのある若芽まで切り戻す。
・追肥:地植え(2〜3年の株の場合)は肥料(フラワーメーカー)50gを 株元から20cm離して周囲に撒く。鉢植え(6〜8号鉢)は鉢花用フラワーメーカー小さじ一杯を鉢の縁、2〜3箇所に分けて置く。
・新芽につくアブラムシやうどんこ病に注意。
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2025.2.13
バラ色………
皆様はどんな色を思い浮かべますか?
2月の誕生石はアメシスト(Amethyst)です。
アメシストは言わずと知れた紫水晶です。パワーストーンとしてもお馴染みですね。
アクセサリーのほか数珠などにも利用されます。
広い地域から産出されるポピュラーな石で、アフリカ、ザンビアが主要産地。宝石品質としてはブラジルが有名です。
ギリシャ語の「アメタスト=酒に酔わない」に由来し、悪酔いを防ぐ石、邪悪な欲望から精神を守る石とされました。
”アメジスト”は紫色のバラの名前に用いられ、”アメジスト”、”ロイヤルアメジスト”、”アメジスト バビロン”などの品種があります。
”アメジスト バビロン”はオランダのインタープランツ社のバラで、原種の「ロサ ペルシカ」を祖先に持つ品種です。
このシリーズには、”エリドゥ バビロン”、”ストラボ バビロン”、”バベル バビロン”、”ピンクトルマリン バビロン”、”プリンセス バビロン”、”ムーンライト バビロン”、”ラルサ バビロン”などがあります。
どの花も中心(花弁の元)にアイやブロッチと呼ばれる赤く染まった部分があるのが特徴で、原種のロサ ペルシカから引き継いだものです。
原種は一季咲きですが、改良され四季咲きで日本でも育てられるようになっています。
このシリーズが出た頃、可愛らしい一重咲きにアイが印象的で、欲しい!と思いましたが、
花色も様々でどれも甲乙つけがたく結局買えないまま今日に至ります。品種も随分増えました。
2月の誕生石には、他にクリソベリル・キャッツアイ(猫目石)があります。
クリソベリルは金緑石と呼ばれ、”キャッツアイ”とは光の効果で猫の目のような模様が出るものを指します。
2月の主な作業
・剪定(冬剪定:1月〜2月)は今月中
・寒肥(地植えのバラ)を1月に行えなかった場合は至急に
・大苗の植え付けは根が動きだすので今月中に行う
・鉢替え(土替え)の適期